僕は名もない凡人でいたい

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憧れのパールマンを聴きました

2017年11月02日 | 観劇・コンサート
イスラエル出身のヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンの演奏を聴きました。
私にとっては、子供の頃からの憧れの人です。
優しく温かく、キュートな音色に感激しっぱなしでした。

楽器はメニューインから譲り受けたストラディバリ。
小児麻痺で下半身が不自由ですが、セグウェイみたいな電動車いすを自在に操り、座ったまま弾きます。
いつも上機嫌でニコニコしているパールマン。
大好きです。

【プログラム】
・シューベルト作曲 ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ第1番 ニ長調 作品137-1 D.384
・ベートーヴェン作曲 ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 作品47「クロイツェル」
・ドビュッシー作曲 ヴァイオリン・ソナタ ト短調
・ヴァイオリン名曲集 パールマンが当日、インスピレーションで選んで決めます↓

色彩豊かな選曲

サントリーホール前で開場を待つ人たち

大ホールが、パールマンの名前だけで満席になります。
クロイツェルソナタを生で聴くことができて、幸せでした。

が、ひとつ問題が。

サントリーホールは360度に席があるのよね。
背中しか見えない席、これはもう完全に失敗でした。
ピアノはよく聞こえましたが、ヴァイオリンの音は前へ行くので反響で伝わる感じになります。
客席にくすっと笑い起こる場面がありましたが、表情も見えないのでさっぱりわからなかったです。
次はぜひ、(お金を貯めて^^;)正面の席で見て聴いて感じたいです。

ルパンコンサート

2017年06月25日 | 観劇・コンサート
「大野雄二&LUPINTIC SIX」のコンサートへ行きました。
大野雄二と言えば、ルパン三世の楽曲をすべて作曲しているジャズピアニスト。

トランペットがあんなに強弱をつけたり、多彩な音色の出る楽器とは!
自分がペッターだったら、迷わずクラシックではなくジャズを選びたくなっただろうなあ。

ちょっとエロくてかっこいい。
おじさんの色気ムンムンでした。
(今回は女性コーラス(fujikochans)不在)

ジャケ買い

大野雄二さんにサインと握手もしてもらったどー(^0^)

アニメ版とラストが違う~劇団四季「ノートルダムの鐘」

2017年06月22日 | 観劇・コンサート
1996年、ディズニーアニメ「ノートルダムの鐘」を見て、音楽の厚みと物語の深さに圧倒された人も多かったと思う。
しかし、劇団四季による舞台版は、アニメ版のようなハッピーエンドではなかった。
原作は「レ・ミゼラブル」の著者ヴィクトル・ユゴー。(原題「ノートルダム・ド・パリ」)

主役のカジモド(飯田達郎)が素晴らしかった。
話す言語は拙く、しわがれた悪声。
しかし、心の内を語る時は、美しい声でのびやかに歌う。
エスメラルダ(宮田愛)を殺されたカジモドが、聖職者の真実に気付いた時の絞り出すような声!

「悪人はお前だ!」

カジモドの育ての親である聖職者フロロー(野中万寿夫)もまた、自分の歪んだ欲望に苦しむ「怪物(=人間)」だった。

合唱、とくに男声合唱の厚みが凄かった。
劇団四季の中でも、とくに歌の上手い人を揃えたような感じがする。

大きな舞台転換はない。
ある時は壁、ある時は扉、またある時は欄干になるなど、小道具を様々に利用した演出はさすがだ。
「アラジン」や「美女と野獣」のような華やかな舞台と違い、「ノートルダムの鐘」はモノクロな世界観だが、それがいい。
ユゴーの人間ドラマを描くのに、余計なものはいらないのだ。

ただ一点。
小説の地の文のような「説明」が度々入るのが、物語の勢いを妨げているように感じた。
 ☆
「ノートルダムの鐘」は来年4月から、横浜公演が予定されている。

定期演奏会

2017年04月24日 | 観劇・コンサート
楽団の定期演奏会。
休団者宛てに送られてくる招待券は無駄にせず、いつも客としてこっそり聞いて帰るのだが、今回は当日券の売り子を頼まれた。
売れ行きは芳しくなかった。
しかし、売れても売れなくても構わないという気楽さで、他愛ないお喋りに花が咲く。

今回の演目は、ドヴォルザーク作曲『スターバト・マーテル』。
宗教音楽である。
「スターバト・マーテルってどういう意味ですか?」
と、予習不足の私。
するとボランティアの高齢男性が、
「ラテン語だよね。マーテルが聖母だから嘆きの聖母……とかそんな感じじゃない? よくわかんないけど。まあ、怒りの聖母ってことはないよね」
と言うので、笑ってしまった。
この方は終始、冗談ばかり言って私を笑わせてくれた。

スターバト・マーテルの意味は大体合っていた。
プログラムには「悲しみの聖母」と書かれていた。
激しさはひとつもない。
子(キリスト)を失う母の悲しみが連綿と広がるただそれだけの音楽……。
ドヴォルザークはこの曲を作曲する数年前、相次いで3人の愛児を亡くしていたという。
子を失った作曲家の悲しみを想起せずにはいられなかった。

音楽堂に向かう紅葉坂。
4月は新緑が美しい。
この場所は、今創作中の小説に登場する予定。

ピアノリサイタル

2017年02月22日 | 観劇・コンサート
「浜野与志男ピアノリサイタルコンサート」(東京オペラシティリサイタルホール)を聴きました。
1989年生まれの若手であり、モスクワ在住の異国的雰囲気を持つピアニストです。

彼がまだ学生だった頃、私たちのアンサンブルにソリストとして現れ、素晴らしいバッハを演奏してくれました。
ロシア人のお母様とアシュケナージ先生(世界的ピアニスト・ウラディーミル・アシュケナージの妹君)に付き添われ、物々しい雰囲気が漂っていたのを思い出します。

今回のプログラムは現代音楽がメインで、とくにソヴィエト時代の存命の作曲家の音楽に意欲的でした。
温もりのある音色に始まり、地響きのような力強さ、溶けない氷の永久性を表すような神秘の音色--。
ピアノという楽器が持つ力をどこまで引き出そうとするのか。
混沌とした音楽は拒絶したくなるけれど、音色の多彩さに圧倒されてどうしても入り込んでくるのでした。
バッハが秩序に満たされた自然調和の音楽だとしたら、現代音楽は人間を表しているのだと感じました。

終演後、ロビーに現れた浜野さん。
親しい人たちから「ヨシオくん」と呼ばれて顔を赤くし、はにかんで答えていました(*^^*)