僕は名もない凡人でいたい

バイオリン オペラ 文芸 旅行 絵……そして、日常。白血病闘病記も

ひそやかな弦楽器工房2

2018年11月19日 | 音楽活動

工房に楽器本体を預けて数日。
駒の傾斜角度と魂柱の位置をずらしただけで、クリアできらびやかな音色になった。
(ちょっと派手すぎるかも?)

それは置いておいて、21世紀とは思えない工房内を撮影させてもらった。



現在、ヴァイオリンは楓の木で造るらしい。
それもなるべく古い物が重宝され、木材の取り合いなのである。

職人さんは、

「師匠のところへ行って、上手いこと言っておだてて、木をかっぱらってくるんです」

と言った。
本人はいたって真面目で、面白い事を言っているつもりはないようだけど、私にはおかしい。

ひそやかな弦楽器工房

2018年11月06日 | 音楽活動
雨の降る中、弦楽器工房へ。
ヴァイオリンの弓の毛の張り替えと、楽器自体を診察してもらいました。

楽器のラベルには、ドイツ製で「copy of Schweitzer」と書いてあります。
普通コピーと言ったら、有名な名前(ストラディヴァリとかグァルネリとか)なのですが、

「シュヴァイツァーって誰?」

職人さんも、図鑑のような分厚い本を持ちだして調べてくれました。

「シュヴァイツってラベルはあるんだけどなあ」

やはり、まったく無名のコピー楽器のようです。

ただ、ラベルに「東」または「西」と書かれていないこと、1980年代には日本にあった(私が手にした)ことから、ドイツ分裂前、第一次世界大戦前の楽器だろう……と、職人さんは予想します。

楽器が辿る歴史も興味深いですね。

オペラが楽しい!

2018年10月25日 | 音楽活動
オペラが楽しいです!
ソリストと合唱の合同音楽稽古を終え、今週末には立ち稽古が始まります。
今回のソリストは皆さん適役で、お人柄も素敵な方ばかり。
私たち弱小合唱団にも温かい拍手を送ってくださって、嬉しくて涙が出そうでした。
無事、本番を迎えることができるよう頑張ります。
まずは暗譜しなくちゃ。

憧れのソプラノ歌手・星野由香利さんとお会いしました。
今年の初めくらいに見たガラコンサートについて「素晴らしかったです」とお伝えすると、
「オケは歌いやすいんですよ。オケが盛り上げてくれるから、私はフワッ~と、ね。それに乗って歌っただけなの」
と、自分よりオーケストラを褒めます。
お歌も演技も素晴らしい上、人としても優しくて謙虚で、ますますファンになりました。
私の事は「カルメンで派手な喧嘩をした人でしょ!」と、かなり昔のことを覚えてくださっていました。
(私の暴れまわっていた過去が暴露……じゃなくて、オペラ『カルメン』での女同士の喧嘩の場面。国立劇場など大きな舞台では歌う人と演技する人とで分かれていることが多いのですが、人手不足の舞台では合唱団が歌いながら暴れるというタフな演出がつけられたのでした。当時は若かったので、友人とアクション俳優並?に暴れておりました)
星野さんのアメーリア役は、人を惹きつけるすごい引力があります。
深いソプラノで、ppは天空に無数の星が瞬くよう。儚げで美しいです。

『仮面舞踏会』のヒロイン・アメーリアは、うつ病みたいにずっと憂いています。長調の部分ってあるのかしら。
アメーリアさんは夫の親友に恋しちゃって、苦しくて苦しくてしょうがないのですね。
「お願い、あの人を忘れさせて」
と、怪しげな占い師にすがりつくほどに。
オペラのお話って仮想不倫が多いです。
色々突っ込みどころがあって面白いので、その件はまた書きたいと思います。

白薔薇先生のレッスン

2018年10月11日 | 音楽活動
白薔薇先生に弟子入り後、6回目のヴァイオリンレッスン。
レッスン時間は2時間を超える。
先生は速いパッセージでも一つの音も聞き逃さず、薄皮一枚分の音程差も許さない。
音程、リズム、テンポ、音色、楽譜の解釈、楽器を持つ姿勢、重心、右手(弓)の使い方、左手のビブラート、エトセトラ、エトセトラ……

はじめの3回目くらいまで、行きは緊張で吐きそうになり、帰りは落ち込んで泣きそうになった。
先生も相当な忍耐である。
真剣だから妥協しない。

たくさん注意されるけれど、すごく褒めて励ましてもくれる。
白薔薇先生についていけば、私は何かを突き抜けられる気がする。

音楽は麻薬

2018年08月10日 | 音楽活動
3回目のヴァイオリンレッスン。
自作の譜面下敷きとsonyの録画機材を持って行く。

休憩なし、立ちっぱなしでヴァイオリンを弾き続ける2時間半だった。
後半はへとへとだ。
指が回らなくなり、楽譜のどこを見ているのか定まらなくなり、ドだかレだか何の音かもわからなくなり、床に落とした鉛筆を拾おうものなら小鹿みたいに足がガクガクしてしまう。

先生は音楽に一点の妥協も許さない人で、対する自分は、音楽がわからない人間(でも何故かヴァイオリンは弾ける)である。
わからないことを続けるとは、なんという労苦か。
先生の忍耐もものすごいと思う。

何故、自分はヴァイオリンを弾くんだろう? 
時々考えるけれど、わからない。
「楽器ができるなんてすごい」と言われることがあるけれど、私は全然すごくない。
下手くそで、情けないばかり。

昨日も一人、練習室にこもって練習した。
とても疲れた。
ただ、言葉で表せない喜びがある。
音楽はまるで麻薬だと思う。