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絵を描いてみようか

えがくものは何でもいい



ベースとなる紙を用意して

大きさは自分に合ったサイズを選ぶといい

誰かのと大きさを比較する必要はない


まずは えんぴつで下書きだ

何も臆することなく自由に線を引いていこう

心のままに手を動かし

力加減も　線の太さも　思い通りに

はみ出しても気になんかしない

破れたってかまうものか

気持ちをそこに表わそう

自由に空を飛ぶように



それでいい



どんな線も

自分に必要だったんだから




少しの間

デッサンを見てみようか




何が見える？

楽しかった思い出？

辛かった過去？



いろんなものが見えるね

どれも愛しい自分だ

頑張ってきた自分

褒めてあげれるかな

ハグできるかな



自分にやさしくできたら

未来という色を塗っていこう


慣れ親しんだえんぴつにお別れを告げて

新しい筆を手に取る

キラキラと輝いていて

とても安らげる不思議な筆

勇気をくれる心強い筆


やさしく　しっかりと持ったら

もう一度デッサンを見て


要らない線がたくさんあるね

あれもいらない

これもそんなに必要ない

上から塗りつぶしてしまえ

筆を落とすと不必要な線は

蒸発するように上空へ舞った

同時に心も軽くなってく


おもしろい


塗る

消える

楽になる

塗る

消える

楽しい

塗る

塗る？

これ？

手放すの惜しい

でもこれからあまり使わない気がする


わかった


要らないものを探すんじゃなく

本当に必要なものだけを残せばいいんだ



そう、気づいたね



そうして最後に残ったもの

とてもシンプルで不可欠なもの

純粋で無垢な自分

自分らしさであり

本来の自分そのもの

光り輝く無二の自分



残ったものは

スタート地点である


『じぶんの色』





尽　玲儚