不思議な縁の電話

女性でしっかりとした口調の方だった。
家賃の相場ではある程度の収入がないと住めないので、職も安定している方だろう。
私の電話番号を知ったのは、前の住所で宅配便等が来たときに、名前と電話番号を控えていたのだという。
この時点で、驚きと個人情報保護の意味で、ちょっと嫌だなと感じた。

用件はなんだというと、その女性は住み始めてそのマンションが住みにくいと感じて管理会社に伝えたのだが、それが腑に落ちないので、前の住人はどのように感じていたのかと聞きたいというのだ。

その方は、冷蔵庫のドアや食器棚の開き戸が開け放しにするとそのままだから、床が傾いているのではないかというのだ。
ゴルフボールを床に置いてみたが表面が凸凹なので、転がってはいかなかったが、床が傾いているように感じるというのだ。

私が住んでいるときは、床の傾きよりも、寒さと湿気が身体に良くなかったので、それを伝えた。
相手の方は、私との会話で安心したのか、また相談にのってほしいという。
変な電話だなあと思いつつ、もしかしたら、調査会社か取材記者か、くらいの用意周到な相手に興味をもってしまった。
何かのご縁で仲良くなることがあるくらいの気持ちで電話を切ったのだった。
感謝