息子と街へ出る

雨の休日は、外に出るのが億劫だ。

しかし、息子が新しい筆箱がほしいという。

なぜ？と聞くと、生徒会の部門別委員での書記になったので、筆箱が注目されそうだから、だそう。

以前に私だったら、却下していた。
壊れてもいない文房具を買い換えるなんて、どうよ！と口から炎を出していたと思う。

しかし、おしゃれやデザインに目覚めた息子は、自分のお気に入りのデザインを求め始めたのだとすぐに理解した。

よって、1年半前から使っていた息子の筆箱を私が貰い受けて、使い切ろう。

雨の休日を映画三昧で過ごした後、ようやく思いお尻を上げて、バスで街へ向かう。
デザイン商品なら揃っている大丸セントラルという店は、7時に閉店していた。

そのまま、東急ハンズへ向かう。8時閉店だが、なんとか間に合った。

息子がお気に入りのデザインだが、私はちょっとついてイケない、ドクロの絵柄が入っている。息子が欲しいというデザインだから仕方がない。
そして、この息子はずっと美術は５なのだ。ドクロを選ぶ感覚なのに。

息子は好みのものを買った興奮で、よくしゃべっている。
この調子で、学校や部活の話を聴こうと、スターバックスへ立ち寄る。

家では、それぞれ自分の部屋に入ったりTVを見たりして、話をすることが多くないが、外だとお互いの話がよくできる、と息子と話し合う。

帰りにブックオフに立ち寄り、漫画の単行本を5冊安く買う。
これも仕事の資料なのだ。

夕食を簡単に済ませようと、みよしのギョーザでテイクアウトをして、帰宅して息子と食べる。

この土日は、息子の野球とコミュニケーションが成果だったなあと感謝する。

行きのバスのなかで、「母さんの会社を継いでもいいよ、オレ、アイデア出すの好きだし、この方面の勉強も好きだし」とのたもうた。

「ありがとよ、でも母さんはダメダシが多いよ」とつぶやくのが精一杯だ。
本当は、「もっと今のうちから勉強をしておいたほうがいいよ、母さんみたいに苦労しないと思うから」と言いそうだったが、飲み込んだ。

感謝