女の生き方

その女性は、生い立ちから話をされた。
シベリア抑留されて生還された父親からは、可愛がられて、叱られたことがなかった。
しつけは母親がしてくれたが、両親から愛されて育ったことをはっきりと自覚する。

初めて勤めた会社でも可愛がられ、現在のご主人との結婚で寿退社。

子育てが終わったときに再就職した先は、上司同士の経営に対する見解の違いから喧嘩が絶えなかったが、ある日、社長に「資金繰りや社内で苦労するのに、どうして会社を続けているんですか？」と訊ねると、「この地のお客様に本物の○○の商品を味あわせてあげたいんだよ」

その社長の言葉で、この社長がイライラしても、サポートして見守ろうと思った、という。

社員が数ヶ月で辞めていく人ばかりのなかで、5年間、その喧嘩の嵐の会社を勤められた。

順調な会社のサラリーマンと結婚したつもりなのに、ある日突然、独立すると夫に言われたときは、驚いて不安に思ったが、見守って、今は夫が仕事をしやすいように一生懸命に夫を支えよう、と決めている、という。

男が出世する、やる気になるのは、こういう夫唱婦随の物語があるからだという法則の生き証人だと思った。

この女性の夫が経営する会社は、今、右肩上がりだ。
感謝