ホームの母を見舞う

インフルエンザの流行も下火になって、私も兆候が無いので、母に会いに行く。

地震もあったので、不安に思っていないかと伺ったが、アルツハイマーなので、認知していないようだ。

自分の実家で姉妹たちと楽しく過ごした日々に意識が行っているので、そこへ行こうとずっと誘ってくる。

「うん、行こう」と手を握ると、嬉しそうだ。

母の脳は、彼女の少女時代で占められているので、その時代が一番華だったのだろうと思う。

結婚してからは、農業の労働ばかりで、その時代の女性なら当たり前のように昔の嫁姑の軋轢を味わった。

母の童女のような横顔を見て、微笑む。

こうやって時々会いに来るしか出来ないが、５年位前は一緒に温泉へよく行って、背中を流してあげられたのが、娘としてのなぐさめだ。

親に心配ばかりかけてしまったけれど、今はなんとか落ち着いて、決して儲けてはいないけれど、自分らしい生き方をしていることを両親に感謝したい。

両親に長生きしてもらいたい。
感謝