世界史に残る最悪な原発大事故について

今回の震災で犠牲になったたくさんの無垢の人たちの冥福を祈るとともに、いまなお続く被災者の避難生活を思うと心が痛みます。

阪神大震災の時、激震地区で被災した私は、当時の苦しみが生々しくよみがえって来ています。

そして、この東北関東大震災に関して、日本の人たちは本当に骨身にしみて色々と考えていると思います。
特に、震災の影響がまだまだおさまらない東日本の人たちは、かつての日常とは程遠い生活を強いられています。

そのことに関して、私は言及しません。

そもそも、このブログは「源流のヤマメ・イワナを追う渓流釣り。フリー・ランのスノーボードを中心としたアウトドア活動の記録」について書こうと思っています。

けれども、今回の福島原発の大事故に関して、「健康を害するような放射線量ではないから安心を」という専門家や政府の発言を聞いていると、黙っていられなくなりました。

「生命に危険がない」からと許されることではなく、「チェルノブイリに次ぐ人類史上２番目に最悪の原発事故が起きている」という現実を認め、これまで「原発は安全だ」と国民を欺き続けたことをまずは謝罪すべきだと思うのです。

「現場で働いている人はヒーローだ」という声に異論はありません。
しかし、それは特攻隊員として米軍艦艇に突っ込んでいく若き兵士の勇気をたたえる気持ちと同じ種類のものはないでしょうか？

特攻隊という非人道的な作戦を実行するに至らしめた日本政府、そして大本営統帥部の失策は許されるものではありません。

つまり、現在の日本政府による原子力発電行政は、絶対に許せないということです。

専門家でない私が、その根拠について論じる資格はありません。

分かるのは、「原子力発電所が必要か必要でないか？」ということです。

そして、私は「必要ない」と心から思います。

確かに、今回の輪番停電のように、原発がないと日常生活に大きな支障が出ます。

しかしながら、生活レベルを一段落とせば、決して耐えられないレベルのものではないと思うのです。
それこそ、健康な人にとっては、「健康をただちに害するような影響」ではありません。

原子力以外のクリーンな代替エネルギーが開発されるまで、日本は２サイズくらい縮こまって生きても良いのではないかとさえ考え始めました。

それが、資源を持たない国、日本本来の身の丈なのではないでしょうか？
それを、原発でドーピングして経済力でNo.2を維持してきた。
ようは、無理な背伸びはこれを機会にやめてはどうかと・・・・

経済的な発展は、お隣の韓国や中国にお譲りしても構わないと思うのです。

宇宙太陽光発電など、夢のようなクリーンエネルギーが、技術的には可能な時代になっているそうです。

日本はこうしたクリーン・エネルギーの開発を最優先事項とし、世界に新しいライフスタイルを提供するリーダーになれば良いのではないでしょうか？

経済至上主義を捨てる時期が来たのかもしれないと感じました。

今回の事故を「神からの警告だ」とは言いません。

しかし、事故の影響を考えたとき、やはり「原子力発電は悪だ」と本能的に感じざるを得ません。
それは、まだ幼い子供が、ほぼ本能的に「善悪」を感じ取ることが出来るのに似ているとさえ思います。

大人になると、「国のため」と言っては武力で他国の領土をかすめ取ることさえ理屈で正当化してしまいますが、「人を殺して奪う」ことが純然たる「悪」だということは、誰もが心で感じるはずです。

頭で理屈をつけて、悪を正当化してしまうだけです。

今回の歴史的原発大事故で「致死量ではない」「屋内にいれば安全」「健康に被害の無いレベル」という発言は、すべてこの「正当化」のための理屈にしか思えません。

問題は、「環境と人間に著しい汚染を及ぼす原子力発電は悪である」という根本にあるのです。

では、「原子力発電」というものの実態がどういうものなのか？

それは、１９９７年にガンで亡くなられた１級プラント配管技師「平井憲夫さん」の遺文「原発がどんなものか知ってほしい」を読むととても分かりやすく理解できます。

http://www.iam-t.jp/HIRAI/index.html

間もなく命の炎が消えようとする中で、真実を書きしるした著者に心から感謝するしかありません。

だからといって、私自身が「原子力発電反対運動」に身を投じるわけではありませんが、次回の選挙の際は「原発撤廃に本気で向き合う党がどうか？」というのも重要な判断基準にしたいと思っています。

今回の原発事故はいまだ収束しておらず、東京に住む我々はもちろん、周辺住人はさらなる不安を隠すことができないでしょう。

この恐怖と怒りを忘れることなく、原発行政に目を光らせ続けなければならないと思います。

ＴＶで安全を叫ぶ原発の専門家は、原子力発電所があるおかげで食っている人たちです。

とても、彼らの発言を真に受ける気にはなれません。