サイ・ババ
死者をよみがえらせる奇跡を起こしたとされ、世界中に数百万人の信者を持つインドの霊的指導者、サティヤ・サイ・ババ(Satya Sai Baba、85)が、危篤状態に陥り、同国南部の病院で集中治療を受けているとか。
サイ・ババは前月28日、肺と胸のうっ血によりアンドラプラデシュ(Andhra Pradesh)州プッタパルティ(Puttaparthi)の病院に入院した。同病院の4日夜の発表によると、容体は悪化しつつあり、人工呼吸器をはめて腎臓透析を受けている。
サイ・ババの容体については、政府高官が「安定している」と発表するなど、情報が錯綜(さくそう)している。病院には安否を気遣う信者ら数千人が到着しつつある。
信者は、いくつかの奇跡を起こしたサイ・ババを「神の生まれ変わり」と称し、あがめている。インドの首相元首相や財界トップも信者であることは有名な話だ。
サイ・ババの財団は同国の保健・教育分野に資金援助を行っており、サイ・ババ氏が入院したのも財団が財政的な援助を行っている病院だ。(c)AFP
サイ・ババ(サイババ)の、インドでの社会奉仕や医療奉仕などの貢献度は大変高かったそうで、政府からの絶大な支持を受けていた。1960年に設立した「サティヤ・サイ・オーガニゼーション」は、2008年には170カ国にまで増え、日本にも、26か所の支部があるそうだ。また、同団体の教えは
「教育と医療と飲料水は人々に無償で提供されなければならない」
だという。そして、彼の説く教えは次のよう。
1「カーストはただ1つ、それは人類というカースト。宗教はただ1つ、それは愛という宗教。言語はただ1つ、それは心という言語。神はただ1つ、そして、神は遍在」
2「すべての人を愛し、すべての人に奉仕せよ」(Love All, Serve All)
3「つねに助け、決して傷つけてはならない」(不殺生の思想
)
4「愛(プレーマ)は私の姿、真実(サティヤ)は私の息吹、至福(アーナンダ)は私の糧、私の人生が私のメッセージ、拡大が私の人生、愛に理由はなく、時を選ばず、生じることも滅びることもない」
しかし、一方では、彼の’奇跡’と呼ばれた、空中での物質化現象など、論争の的でもあり、また、青少年への性的虐待の噂もあったが、彼自身は、否定している。