今日がきっと最高の日!

産業カウンセラー&コーチ&短大講師&妻&母&娘・・・いろいろな顔をもつ私が、日々の生活で考えたことをつぶやきます。

昔々の思い出話

2015-02-03 21:51:24 | こころのこと
私は大学での専攻が心理学でした。

今は心理学に興味を示す方も増え
比較的メジャーですが
当時はどちらかというと
マイナーなイメージだったように思います。

当時はまだ「発達障害」という言葉はなく、
「微細脳機能不全症候群」というような
(脳のどっかの動きが悪いからだろうけど、よくわからないよ~ということ)
とても言いにくい名前だったり
「注意欠落症候群」といった言い方だったり。

でも当時から「自閉症」という言い方はありました。

私はその「自閉症」の3歳の男の子を見ていました。
(学生なので、治療とか、そんなレベルではなく
担当の先生について「見ていた」レベルです)

とてもかわいい男の子なのに、
典型的な自閉症で、全く視線が合わない。
(視線が合わないということはこんなことか!と
初めてわかりました)

パニックになると自傷行為として
床に自分の頭を思いっきり打ちつけることを
止められるまで続ける。

初めてのことばかりで、どうしていいかわからない状態でした。

でもあるときその男の子、
私のの膝の上に乗ってきて、
いきなり私の肩にかみついてきました。

その時はただただ、びっくりしていましたが
担当の先生から
「ひょっとしたらそれは、彼なりの愛情表現だったのかも」と言われ
あぁ、人とは違うけれど、
彼なりに、私を認めてくれたのだな、と
非常にうれしくなりました。

そしてその後、たまたまかもしれませんが
彼は私のそばで空の向こう側を見ながら
リラックスして鼻歌をうたうこともでてきました。
(今でもそのかわいらしい声を思い出すことができます)

今カウンセラーをやり、コーチをやり、
研修講師をやり、という仕事は
自閉症の彼の愛情表現が原点となっています。

どんな人でも、ひょっとしたら人とは違う方法かもしれないけど
人は人とコミュニケーションをとっている。
大切に思ってもらったら、うれしい。

今は大人になっているであろう、
自閉症の男の子から教えてもらった大切なことです。