きむらとしろうじんじん「野点(のだて)」レポート
初めまして、都市活力創造室のなかむらです
この秋から冬にかけて、音楽イベント、芸術イベントが目白押しのなか、都市活力創造室が準備に1年をかけて取り組んできた、「きむらとしろうじんじんさんの野点」がついに本番を迎えました
今日はその本番の様子をレポートします
みなさんもどこかでチラシを目にされて、足を止めたことがあるかもしれません
いったい何者なのだろう この人は
この人こそ「野点」の立役者、きむらとしろうじんじんさんです。
じんじんさんの野点は、約20年の間、毎年全国各地で開催している催しで、素焼きのお茶碗に自分で絵付けをして、その場で茶碗を焼いてもらい、焼きあがった世界に一つのオリジナルお茶碗でじんじんさんが点てたお抹茶をいただくという、とっても創造的なアートプロジェクトなのです!
都市活力創造室では、公募で集まってくださったスタッフの皆さんとともに、3回にわたる「大お散歩会」を開催し、市内を歩きまわりながら野点の場所選びや、本番までの運営方法の話し合いなど、楽しみながら野点を作り上げていく過程を実践してきましたが、ついにその本番を迎えることができました。
まずは、2014年12月3日(水)阪急岡町駅前の西口広場です。
当日は寒波がやってきてこの冬一番の冷え込み!であったにもかかわらず、朝早くから心強いサポートスタッフさんたちとともに現場づくりをスタートしました
午前9時にはお客様がもういらっしゃっています
お話を伺うと、以前に野点に参加したことがあり、もうひとつ新しいお茶碗がほしいという方
10年前にスタッフとして野点に参加したという方
じんじんさんの今年の野点ツアーで、お茶碗が売り切れて絵付けできなかったことをあきらめきれず遠方から来られた方
などなど、豊中市民の方のほか、じんじんさんのうわさを聞きつけた遠方からのファンの方もたくさんおられました
絵付けをする小リヤカーなどの準備を済ませると、いよいよじんじんさんが登場し、いよいよスタートです
「今日はええ天気やし、たっぷり時間かけて絵付けしてもろてええんで、(してもらっていいので)
ゆっくりしていってくださいね」
じんじんさんのお話はいつでもペースが同じなので、せわしい現場にもゆったりと時間が流れるようです。「あわてんでええよ。けがせんように~」とスタッフへも気遣いを忘れないじんじんさん
お客さんはじんじんさんの手作りの素焼きのお茶碗から気に入ったお茶碗を選んでさっそく絵付け開始です。
色見本を見てあれこれ迷いながら好きな色を選んで、世界に一つのお茶碗作り・・・
絵付けが終わればじんじんさんが窯入れをしてお茶碗を焼いてくれます・・・
窯に入って待つこと約20分・・・
真っ赤に燃せられた窯の中からお茶碗を取り出して、今度は新聞紙燻(いぶ)しに入ります。
その後、ひとつずつお茶碗が取り出されるたびに、「わ~っ!」「めっちゃきれ~~い」と歓声が上がります。この燻しの工程を経て、ガラス質の釉薬がより深みのある色合いに変化するのだとか
何しろこの出で立ちなので、駅前には人だかりができることも・・・笑
燻しが終わって、煤(すす)を磨き落としたら、ついに世界にひとつだけのオリジナル楽茶碗が完成です
やった~~~
出来上がったマイ茶碗でじんじんさんが点てたお茶を味わうこともできます
日が暮れてからの窯出しはまた幻想的な雰囲気ですね~~
真っ赤に熱せられた窯の中やお茶碗がきれい~!!
じんじんさんも妖艶さを増しているようです・・・・
さて続いては、
12月6日(土)に御獅子塚古墳(おししづかこふん)で開催しました
この日はなんと国指定史跡の御獅子塚古墳での野点
またまた快晴のこの日、普段は入れない古墳を見学できるとあって、たくさんの子供たちが遊びに来てくれました
3日前の岡町駅前の野点とは別の真っ赤なマーメイドドレスで登場したじんじんさん
もちろん茶筅(ちゃせん)はいつものところ頭のてっぺんに・・・
古墳をバックにすらりとした長身がかっこいいですね~
子供たちは、みんなじんじんさんの衣装とメイクに興味津々です 笑
「男?女?何歳?何処から来たん??何してるん?なんで来たん」と質問攻め笑
この日はじんじんさんの今年の野点ツアーの最終日ということもあって、寒さの厳しい中にもかかわらず、11時過ぎのスタートと同時にお茶碗は売り切れてしまうほどの盛況ぶりでした
御獅子塚古墳の上から、たくさんのお客さんでにぎわう野点の現場を見るとこんな感じです。
向こうに見える大塚古墳もここから見るとまた違って見えますね
お茶碗の窯入れ前にはおまじないのように
「ええのができますように~」とじんじんさん
出来上がったお茶碗でお抹茶を点(た)てる前には、作った人に
「ええのができたね~。ほんまかっこええわ~~」とじんじんさん
「見て~」
出来上がったマイ茶碗を手に記念写真をパチリ
ゆったり流れる時間を楽しめる野点。しかもオリジナルマイ茶碗で古墳バックのお茶席!!なんて贅沢ですね~
古墳時代の装束を身に着けた古代からのゲストも
この日は休日ともあって、日暮れになってもお茶席にはお客さんが絶えませんでした
みなさん本当にお疲れ様でした
特別な体験をさせてくださったじんじんさんはもちろん、説明会から参加してくれていたスタッフのみなさんに心から感謝です
また、市と包括協定を結ぶ大阪成蹊大学芸術学部 表現教育コースの岩野勝人先生と、学生のみなさんにも、全面的に運営をサポートしていただきました。この場をお借りして改めてお礼を申し上げます
「また、来年ね~」を合言葉に、野点にかかわってくださった皆さま、本当にありがとうございました