悪事のようにひたひたとわが身を染めていく。
初めはその臭気に怖気も振るうけれど、
じきに慣れてしまう。
周りの人間は遠巻きに見るけれど、
その果実だけは奪い取っていくの・・。
なーんてね。
八百屋さんの店先のラッキョウにこれ以上知らんふりもできず、
ようやく重い腰を上げて1kgを甘酢漬けにしました。
臭いと手間でどうしようか逡巡するけど、
今年も漬けました。
ラッキョウ
ヒガンバナ科。生薬名は薤白(がいはく)。
禅寺の山門に掲げてある「葷酒(くんしゅ)山門を入るを許さず」(臭いのする野菜と
酒は入れない、という意味)の
いわゆる五葷(ごくん)の一つ。あとはニンニク、ネギ、ニラ、コビル。
漢方薬としては乾燥させたものを様々な胸痛の症状に用いる。
「延喜式」(927年)にすでに典薬寮の元日御薬として薤白の記述在り。
成分は血流改善してくれる硫化アリル、血糖上昇を抑える食物繊維のフルクタン、抗酸化作用のある
フラボノイド、脳細胞の再生機能を高めて認知予防効果のあるアリシン。
食欲不振に生のラッキョウに味噌をつけて食べたりしますが、
空腹時に行うと胃粘膜を傷つけるので注意が必要です。