自由人?

自分なりの自由な生き方を模索できているだろうか?

ある日の出来事

2008年03月28日 | 雑感
つい先日、細君と一緒に駅に向かっていた。

住宅街の緩やかな坂道に差し掛かったとき、
前方に一人のご婦人が道路にへたり込んでいるのが目に入った。

傍には60台半ば?と思しき男性が、
大きなリュックサックといかにも重そうな買い物袋をぶら下げて立っている。
もう一人中年のおばさんが、盛んにかのご婦人を立たせようと
手を差し伸べている。
最初連れ合いかと思ったが、そうではなかった。

「どうしました?」我々が声を掛けるのと同時に
「手伝ってください。立てないんです。」と言葉がぶつかってきた。

大の男が居るのに… と訝りながらも
細君と二人で両脇を抱え、かのご婦人を立ち上がらせた。

かのおばさん
「この人駅に行くらしいんです。私は家に帰るところで反対方向なので
 駅まで連れてってあげてくださいな。」
と言うなり、我々の返事を待つ間もなくそそくさと去って行った。

我々が両脇を支え、かの男性が荷物を2つぶら下げて、
かのご婦人の経緯やらの説明や、行き先等を聞きながら
駅に向かった。
どうやら次の駅に自宅があるらしいことまではわかった。

かの男性のぶら下げていた荷物は、どうやらご婦人の持ち物らしく、
「こんな重い荷物じゃ無茶だよ」とかの男性が盛んにぼやく。
途中で一つ荷物を受け持ったが、なるほどずしりと重い。
キャベツが2個とその他に何やかんや重いものが入っていた。
リュックサックは更に膨れて重そうだ。

駅に着くまでの10分間が何と遠く感じられたことか。

駅に着くなり、かの男性が改札口の駅員に事情を説明し、
援助を依頼したが、
駅員も、「我々も119番に連絡するしかないんです」と
困っていた。
かの男性も「私も用事があるので…」とリュックサックを小生に手渡して
足早に去って行った。

取り残された我々と駅員は、
かのご婦人が大丈夫というので、リュックサックを背負わせ、
荷物を手渡して見送ったが、足取りは見るからに怪しげであった。

我々は電車で花見に出かけようとしていたが、
かのご婦人と同じ電車で同道するとなると
更にしつこく電話だの、名前だのを問いただされる虞を感じて
急遽行き先を変えて別の公園を目指して歩くことにした。
《それまでに名前や電話番号等をしつこくたずねられ、正直なところ、
 これ以上かまけるのは少々辟易していた》

小生は匂いにあまり敏感ではないが、細君曰く「少しお酒臭かった」由。
道理で目が赤かったわけだ。

小一時間も歩いて小さな出来事の余韻が消えかけた頃、
前方でゴト、という音がした。
見るとまたもやご婦人が道端にへたり込んでいる。
幸い近くに居た中年の女性が、手を差し伸べて引き起こした。
かのご婦人はというと、すたこらさっさと歩いて行く。

しかしながらそれとなく見ていると足取りは覚束なく、
片方の足が崩れないうちにもう一方の足を出すような歩き方をしている。
躓くと間違いなく転倒するような足取りである。

この日はわずか1時間足らずの間に2人も転んだ現場に出くわした。
こんなことが日本の各地で起こっているとすると、
いったいどのくらいの数になるのか想像もつかないが、
中高年が増えるにつけ更に加速することは間違いない。

病気による内科や、皮膚科、胃腸科、泌尿器科等の混雑だけでなく、
骨折や怪我により外科病院等の待合室がいっそうにぎわうことになるだろう。

産院の不足やら、診療拒否、たらいまわし等、出生・出産に纏わる診療体制が
問題になっているが、此方の老衰対策とてうかうか出来ない問題だろう。
我々市民としても行政の対策に頼るだけではなく、自衛策を講ずる必要があろう。

とりわけこれから中高年を迎える団塊世代の諸君!
いまさらながらだが、足腰だけは鍛えておくべし!

老婆心ながら、あえて一言。




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