永田町の落とし物？

政治家や官僚たちが跋扈する永田町。
歩いてみるとあまり人通りは無い。

「タヌキやキツネが出回るから人もあまり寄り付かないのかな⁈」
ひそかに苦笑いしながらとある角を回ったところ、
生垣の上に書物らしきものが乗っかっている。

手に取ってみると表紙の裏表には何も書かれていない。
何か曰くがありそうな代物だ。

おもむろに表紙をめくると㊙マニュアル　取り扱い注意　と書かれている。
興味津々、ページをめくる。

　　第一章　　　コロナ対応について
　　　第一項　　　なるべく外出はひかえること。但し必要に応じて適宜臨機応変に行動すること
　　　第二項　　　外出する場合は・・・・・
　　　第三項　　　・・・・・
　　　第四項　　　万一発覚した場合は以下の章に沿って対応すること。

　　第二章　　　初期対応の在り方
　　　第一項　　　まずはやむを得ない外出として釈明すること
　　　第二項　　　自らの積極的な意思ではない　と説明すること
　　　第三項　　　同席者がいる場合必ず擁護すること
　　　第四項　　　・・・・・
　　
　　第三章　　　嘘や偽りが露見した場合、追及された場合の対処の仕方
　　　第一項　　　形だけでもいいからまずは詫びること。
　　　第二項　　　多少の問題はあるが、やむを得ない行動であったと再度釈明すること
　　　第三項　　　役務を辞退すること、もしくは謹慎すること
　　　第四章　　　身分はそのままで一層の精進に努めることを約すこと（辞職の必要はない）
　　　第五項　　　・・・・・

　　第四章　　・・・・と続く。

おやおやえらいものを拾っちまったな・・・。
落とし物で届けるか⁈
マスコミに渡す手もあるな。
いや、待てよ！
どんなおっちょこちょいが置き忘れたか見届けるのも面白いかも・・・。

そこで元のところに置きなおし、少し離れて様子を見ていた。
2月とは思えない温かい日であった・・・。
いつの間にかうとうとしていると、さる吾人が盛んに頭を下げている。
話してる内容が先ほどの冊子の内容通りだ。

あれいつの間に取り返しに来たんだろう・・・。
と思う間にやがてテレビの画面があらわれる。
先ほどの吾人が神妙な面持ちで釈明を繰り返す。
あれ？　マニュアル通りだ⁇

眼が覚めた・・・。
どうもうたたねしていたらしい。
温かい日の罪なき午睡のひとときの夢。
それにしても現実は？？？？？