この世界には、巨大な寺院が全部で12ある。
ここガーディア国の城下町にあるソルドバージュ寺院もそのうちの1つ。
ガーディア国を含む巨大12国家に1つずつ配されていた。
寺院は国の配下などではない。
無闇に無利益な戦争を行使させない様、
ここガーディア国の城下町にあるソルドバージュ寺院もそのうちの1つ。
ガーディア国を含む巨大12国家に1つずつ配されていた。
寺院は国の配下などではない。
無闇に無利益な戦争を行使させない様、
世界の目付としての役目を担っている。
もちろん寺院には分院も多々あるわけで、
もちろん寺院には分院も多々あるわけで、
1つ1つの寺院はどんな小さなものでも必ず登録されていた。
登録されていない寺院はモグリという事になる。
逆さ十字を掲げるダーク・プリーストが集う闇寺院などは典型的な一例。
あとは登録の更新をしなかった・・・
登録されていない寺院はモグリという事になる。
逆さ十字を掲げるダーク・プリーストが集う闇寺院などは典型的な一例。
あとは登録の更新をしなかった・・・
要は後継ぎがいなく廃れた寺院跡地がほとんどだ。
しかし城下町西区にある古い寺院は、
しかし城下町西区にある古い寺院は、
登録こそされていないが廃れた様子ではない。
早朝、1人の法衣をまとった巨漢がここで祈りを捧げていた。
それを終えると、寺院内の掃除。
用意した箒は特注品なのか、
早朝、1人の法衣をまとった巨漢がここで祈りを捧げていた。
それを終えると、寺院内の掃除。
用意した箒は特注品なのか、
立て掛けている2mの錫杖と同じ長さであった。
それを悠々と使い、清掃する。
はたきは普通のもので、位牌の1つ1つを丁寧に扱い埃を落としていた。
そして黒いケースを手に取ると、軽すぎる事に気付く。
蓋を開ければ、中身の十字架は消え失せていた。
「・・・他の位牌が雑に扱われていないところを見るに、
それを悠々と使い、清掃する。
はたきは普通のもので、位牌の1つ1つを丁寧に扱い埃を落としていた。
そして黒いケースを手に取ると、軽すぎる事に気付く。
蓋を開ければ、中身の十字架は消え失せていた。
「・・・他の位牌が雑に扱われていないところを見るに、
意図して持ち去った者がいるか。」
紛失したにもかかわらず、特に怒った様子もなく口調は落ち着いている。
「真相を究明してくれる者の手に渡っていればよいがな。」
そう呟くと、錫杖を左手に持ち外へと出た。
ケイトは人形娘ドールとともに喫茶店アリサへと来ていた。
従業員用の部屋で、アリサと一緒に卓を囲んでいる。
ショートケーキをパクリ、たまにコーヒー。
「あぁー、朝からケーキなんて至高の贅沢よねー。」
ケイトは甘党かもしれない。
ドールは何も言わず、上品に小さな口へ運んでいる。
それを向かいの席で見ていたアリサは一言、
「ケイトもドールも絵になるわね。
フランソワとエレナ女王がケイトに惚れるのも分かるわ。」
ケイトはそれを聞いて血の気が引いた気がした。
「ちょっと、アリサ!
勘弁してよ!!」
アリサはクスクスと笑いながらコーヒーを継ぎ足す。
「まだ二人ともくっついてくるの?」
「相変わらずねー。
エレナは女王だから滅多に会えない状況なのが助かっているけど、
紛失したにもかかわらず、特に怒った様子もなく口調は落ち着いている。
「真相を究明してくれる者の手に渡っていればよいがな。」
そう呟くと、錫杖を左手に持ち外へと出た。
ケイトは人形娘ドールとともに喫茶店アリサへと来ていた。
従業員用の部屋で、アリサと一緒に卓を囲んでいる。
ショートケーキをパクリ、たまにコーヒー。
「あぁー、朝からケーキなんて至高の贅沢よねー。」
ケイトは甘党かもしれない。
ドールは何も言わず、上品に小さな口へ運んでいる。
それを向かいの席で見ていたアリサは一言、
「ケイトもドールも絵になるわね。
フランソワとエレナ女王がケイトに惚れるのも分かるわ。」
ケイトはそれを聞いて血の気が引いた気がした。
「ちょっと、アリサ!
勘弁してよ!!」
アリサはクスクスと笑いながらコーヒーを継ぎ足す。
「まだ二人ともくっついてくるの?」
「相変わらずねー。
エレナは女王だから滅多に会えない状況なのが助かっているけど、
フランソワは隙あらば近付いてくるから油断出来ないのよ。
それにさー・・・。」
ケイトは、とりあえず今までの状況をアリサに話した。
アリサがまた吹き出して笑う。
「フランソワに捕まっちゃったんだ。
イヴはフランソワの事、よく知らなかったんでしょ。
仕方ないわよ。」
ケイトは何も言えなかったが、不満爆発寸前状態。
知らないの一言で済まされるこっちの身にもなってほしいわ。
苦虫をかみ潰したようなケイトの表情を、ドールが静かに覗き込む。
「ケイト様、アリサ様にお聞きしたい事があったのですよね?」
「え、私に聞きたい事?
朝食替わりにケーキを食べに来たんじゃないの?」
「もちろんそれもあるけど、こっちの仕事の関係でね、
それにさー・・・。」
ケイトは、とりあえず今までの状況をアリサに話した。
アリサがまた吹き出して笑う。
「フランソワに捕まっちゃったんだ。
イヴはフランソワの事、よく知らなかったんでしょ。
仕方ないわよ。」
ケイトは何も言えなかったが、不満爆発寸前状態。
知らないの一言で済まされるこっちの身にもなってほしいわ。
苦虫をかみ潰したようなケイトの表情を、ドールが静かに覗き込む。
「ケイト様、アリサ様にお聞きしたい事があったのですよね?」
「え、私に聞きたい事?
朝食替わりにケーキを食べに来たんじゃないの?」
「もちろんそれもあるけど、こっちの仕事の関係でね、
巨漢の僧侶が寺院に登録されているか知りたいのよ。」
「巨漢のって、西区の地下迷宮に出没するって噂の?」
「そうそう。」
「西区に登録された寺院自体が無いから関連性は分からないけど、
「巨漢のって、西区の地下迷宮に出没するって噂の?」
「そうそう。」
「西区に登録された寺院自体が無いから関連性は分からないけど、
地方の寺院で登録されていた巨漢の僧侶の話は聞いた事あるわ。」
「地方ってどこの?」
「確か・・・マーキュリー伯爵領だったかな。」
それを聞き、ケイトが前のめりに。
「それよ、間違いない!」
アリサは思わずビクリとする。
「あ、そ、そうなの?
珍しい名前だったから、なんとなく憶えてたのよ。
ライガって名前だと思ったわ。」
「ライガ・・・うーん、あたしは聞いた事無いなー。」
「ただ、あの領地の寺院は更新登録されていないの。
だからライガ本人がどうなったのかまでは分からない。
・・・最悪、破戒僧になっている可能性もあるわ。」
「破戒僧か・・・まあ、冒険者に味方してるみたいだから、
「地方ってどこの?」
「確か・・・マーキュリー伯爵領だったかな。」
それを聞き、ケイトが前のめりに。
「それよ、間違いない!」
アリサは思わずビクリとする。
「あ、そ、そうなの?
珍しい名前だったから、なんとなく憶えてたのよ。
ライガって名前だと思ったわ。」
「ライガ・・・うーん、あたしは聞いた事無いなー。」
「ただ、あの領地の寺院は更新登録されていないの。
だからライガ本人がどうなったのかまでは分からない。
・・・最悪、破戒僧になっている可能性もあるわ。」
「破戒僧か・・・まあ、冒険者に味方してるみたいだから、
敵にはならないと思うけど。」
それでもケイトは何故か、嫌な予感がしてならないのだった。
それでもケイトは何故か、嫌な予感がしてならないのだった。