この地下迷宮最難関、地下4階の長い通路。
部屋は一切無く、遥か前方にある地下5階への階段を目指して
部屋は一切無く、遥か前方にある地下5階への階段を目指して
突き進むというシンプルなルートだ。
それは正面に敵が出現した時、逃げ道は背後しかない事を指している。
正面の空間が歪曲し、突如出現するコモドドラゴン(巨大大蜥蜴)は
それは正面に敵が出現した時、逃げ道は背後しかない事を指している。
正面の空間が歪曲し、突如出現するコモドドラゴン(巨大大蜥蜴)は
迷宮最大の強敵であった。
体長5mを超える様は文字通りドラゴンを彷彿させ、
体長5mを超える様は文字通りドラゴンを彷彿させ、
口から吐く火炎のブレスは後方に逃げる敵を逃がさない。
これが最大3体出現するので左右に散開する戦法も取れず、
これが最大3体出現するので左右に散開する戦法も取れず、
幅広な通路を狭く感じさせる。
初めてこれに挑む冒険者は、先輩冒険者や売っている地図を頼りに
初めてこれに挑む冒険者は、先輩冒険者や売っている地図を頼りに
戦略を練るのだが、力尽きてしまう者たちも少なくなかった。
地下3階まで制覇してきた冒険者の心を叩き潰す極悪ルート。
・・・なのだが、ここでの戦闘を経験済みのカイルたちにとっては
地下3階まで制覇してきた冒険者の心を叩き潰す極悪ルート。
・・・なのだが、ここでの戦闘を経験済みのカイルたちにとっては
通過点に過ぎない。
歩いていると、前方の空間がいつも通りに歪曲しだした。
「いつも通りに。」
シーマが弓を背負い、代わりに予備の盾と細身の剣を装備した。
前衛3人が盾を正面に構え、後方の女性陣はその真後ろに付く。
そして、準備万端なところにコモドドラゴンが3体。
「最大数で来たか。」
カイルたち前衛は、シールドアタック(盾攻撃)する様に
歩いていると、前方の空間がいつも通りに歪曲しだした。
「いつも通りに。」
シーマが弓を背負い、代わりに予備の盾と細身の剣を装備した。
前衛3人が盾を正面に構え、後方の女性陣はその真後ろに付く。
そして、準備万端なところにコモドドラゴンが3体。
「最大数で来たか。」
カイルたち前衛は、シールドアタック(盾攻撃)する様に
一気に前方に進む。
ミウが魔法を詠唱し、小さな雷の魔法を発動させた。
ダメージではなく、一時的に視界を奪う
ミウが魔法を詠唱し、小さな雷の魔法を発動させた。
ダメージではなく、一時的に視界を奪う
目眩まし(ブラインディング・フラッシュ)。
コモドドラゴンが鳴き叫ぶ。
その一瞬の隙を付いてカイルは首元を突き刺した。
「よし、一体クリア!」
シーマも突くが威力が弱い。
ゴッセンは運悪く斧が弾かれた。
コオオとコモドドラゴンの吸い込む息の音が聞こえる。
「ゴッセン、ミリア、そっちにブレスがいくぞ!」
「応!」
ゴッセンが応え、盾を構えて防御態勢を取る。
ミリアは精霊魔法を唱えるのかと思いきや、
コモドドラゴンが鳴き叫ぶ。
その一瞬の隙を付いてカイルは首元を突き刺した。
「よし、一体クリア!」
シーマも突くが威力が弱い。
ゴッセンは運悪く斧が弾かれた。
コオオとコモドドラゴンの吸い込む息の音が聞こえる。
「ゴッセン、ミリア、そっちにブレスがいくぞ!」
「応!」
ゴッセンが応え、盾を構えて防御態勢を取る。
ミリアは精霊魔法を唱えるのかと思いきや、
コモドドラゴンの口が大きく開いたところで、
あの繭を投げ入れた。
コモドドラゴンの口内でスパイダー・ネットが張られ、
コモドドラゴンの口内でスパイダー・ネットが張られ、
おもむろにバクン!と口を閉じてしまう。
ウーウーと苦しむ声を上げたかと思うや、そのまま窒息して絶命。
口が開く事は無かった。
「コモドドラゴンの口すら封じ込むのか・・・。」
「普通のスパイダー・ネットだったら、簡単に飲み込まれて終わりよ。」
残りの一体はまだ目眩ましが効いていたので、難なく突き刺し戦闘終了。
ブレスを一度も浴びる事なく終えられた。
しかも窒息した方は剣戟が無いので死体が綺麗すぎる。
「よし、丁寧に素材を剥ぎ取ろう。
ここまで綺麗なのはなかなか無いぞ。」
「・・・カイルって解体好きよねー。」
「臨時ボーナスみたいなものだからな。
今夜もステーキランチいけるんじゃないか?」
これを聞きゴッセンに限らず皆が目の色を変えた。
「マジか!?」
「シーマとラナは周囲の警戒を頼む。
時間をかけてもいいから4人で解体しよう。」
「分かった。」
カイルはまだ、野盗の類を警戒していた。
自分が野盗側なら、コモドドラゴンの戦闘後、
ウーウーと苦しむ声を上げたかと思うや、そのまま窒息して絶命。
口が開く事は無かった。
「コモドドラゴンの口すら封じ込むのか・・・。」
「普通のスパイダー・ネットだったら、簡単に飲み込まれて終わりよ。」
残りの一体はまだ目眩ましが効いていたので、難なく突き刺し戦闘終了。
ブレスを一度も浴びる事なく終えられた。
しかも窒息した方は剣戟が無いので死体が綺麗すぎる。
「よし、丁寧に素材を剥ぎ取ろう。
ここまで綺麗なのはなかなか無いぞ。」
「・・・カイルって解体好きよねー。」
「臨時ボーナスみたいなものだからな。
今夜もステーキランチいけるんじゃないか?」
これを聞きゴッセンに限らず皆が目の色を変えた。
「マジか!?」
「シーマとラナは周囲の警戒を頼む。
時間をかけてもいいから4人で解体しよう。」
「分かった。」
カイルはまだ、野盗の類を警戒していた。
自分が野盗側なら、コモドドラゴンの戦闘後、
最も疲弊した状態を狙う。
幸い疲れは無い。
今夜もステーキランチと言った効果か覇気も十分。
来るならこい、返り討ちにしてやる。
と思っていたのだが、
「さっきので終わりかもしれんな。」
「気配ゼロだねー。」
シーマとラナは警戒しつつもどこか気の抜けた様子。
敵がいなければ当然だろうが、
幸い疲れは無い。
今夜もステーキランチと言った効果か覇気も十分。
来るならこい、返り討ちにしてやる。
と思っていたのだが、
「さっきので終わりかもしれんな。」
「気配ゼロだねー。」
シーマとラナは警戒しつつもどこか気の抜けた様子。
敵がいなければ当然だろうが、
それでもカイルは徹底して気を抜かない。
解体を終えると、丁寧に袋詰めして立ち上がる。
「シーマ、ラナ、一応天井にも気を配ってくれ。」
「え?天井?」
「Bブロックで倒したデブ鼠と巨大蜘蛛の存在が気になる。
ボスを倒されたとなれば、逃走するか、反撃するか、だ。」
「・・・敵は冒険者だけではない、か。」
「思い過ごしならいいがな。
用心するに越したことはない。
いくぞ。
最初の目的はこの先の階段途中の踊り場だ。」
シーマを先頭に、続いてカイルとゴッセン、次にミリアとミウ、
解体を終えると、丁寧に袋詰めして立ち上がる。
「シーマ、ラナ、一応天井にも気を配ってくれ。」
「え?天井?」
「Bブロックで倒したデブ鼠と巨大蜘蛛の存在が気になる。
ボスを倒されたとなれば、逃走するか、反撃するか、だ。」
「・・・敵は冒険者だけではない、か。」
「思い過ごしならいいがな。
用心するに越したことはない。
いくぞ。
最初の目的はこの先の階段途中の踊り場だ。」
シーマを先頭に、続いてカイルとゴッセン、次にミリアとミウ、
殿をラナで進んでいく。
特に何事も無く階段の踊り場まで到着した。
シーマとラナが壁を調べる。
「これ・・・か?」
探さないと見つけられない様な、薄くて細長い横孔。
覗き込んでみても、真っ暗で分からない。
罠の類は無さそうだが、
特に何事も無く階段の踊り場まで到着した。
シーマとラナが壁を調べる。
「これ・・・か?」
探さないと見つけられない様な、薄くて細長い横孔。
覗き込んでみても、真っ暗で分からない。
罠の類は無さそうだが、
残念ながらこれに挿し込める物は持っていなかった。
皆が横孔に集中していたその時、
「セキュリティー・カードを挿し込むんだよ。」
と背後から声が聞こえ、咄嗟に振り向いて剣先を向ける。
そこには、フードを深く被った顔の見えない男が立っていた。
「おおっと!俺は敵じゃないぜ。
あんたの胸元にある青い花も反応しないだろ?」
「この花を知っているのか?」
「この国のスペルユーザーで
皆が横孔に集中していたその時、
「セキュリティー・カードを挿し込むんだよ。」
と背後から声が聞こえ、咄嗟に振り向いて剣先を向ける。
そこには、フードを深く被った顔の見えない男が立っていた。
「おおっと!俺は敵じゃないぜ。
あんたの胸元にある青い花も反応しないだろ?」
「この花を知っているのか?」
「この国のスペルユーザーで
フランソワの花魔術を知らない奴はモグリだぜ。
その花は窮地に陥った時、初めて効果を発揮する花だ。
大事にとっとけよ。」
「あなたは何者なんです?」
「お、ワリイ、自己紹介がまだだったな。
俺の名はレグザだ。
デカい坊さんの仲間だと思ってくれ。」
「墓守の・・・?」
この声にレグザは大笑いする。
「なんだ、ライガの奴、墓守なんて呼ばれてんのか?
ま、らしいと言えばらしいなあ。」
レグザは受け答えながら金属のカードを差し出した。
「やるよ、使ってみな。」
「これが、さっき言ってた
その花は窮地に陥った時、初めて効果を発揮する花だ。
大事にとっとけよ。」
「あなたは何者なんです?」
「お、ワリイ、自己紹介がまだだったな。
俺の名はレグザだ。
デカい坊さんの仲間だと思ってくれ。」
「墓守の・・・?」
この声にレグザは大笑いする。
「なんだ、ライガの奴、墓守なんて呼ばれてんのか?
ま、らしいと言えばらしいなあ。」
レグザは受け答えながら金属のカードを差し出した。
「やるよ、使ってみな。」
「これが、さっき言ってた
セキュリティー・カードとかいう物ですか?」
「ああ、そうだ。
この奥の部屋に無断で侵入させない為の
「ああ、そうだ。
この奥の部屋に無断で侵入させない為の
セキュリティーって意味だと思うが、
俺も部屋の設備までは知らんぜ。」
「・・・ありがとうございます。」
カイルがカードを挿し込むと、
「・・・ありがとうございます。」
カイルがカードを挿し込むと、
どこからかピン!と高い音がして、
壁がゆっくりとスライドしていった。
人一人通れる狭い幅だが、壁の向こうの部屋が見える。
「ありがとうございま・・・!」
カイルが振り向くと、
人一人通れる狭い幅だが、壁の向こうの部屋が見える。
「ありがとうございま・・・!」
カイルが振り向くと、
レグザと名乗っていた男は消え失せていた。
シーマとラナも驚愕する。
「来た時も去った時も気配をまるで感じなかった。
一体、何者なんだ?」
カイルはフーッと深く息をつく。
「とりあえず敵でないならそれでいい。
まずはこの部屋に入ろう。
ラナとゴッセンは入口の見張りを頼む。」
「はいはい。」
「謎解きは任せたぞ。」
部屋に入ると、訳の分からない複雑な装置が全て破壊されていた。
・・・いや、1つだけ上下に動かす大きなレバーが残っている。
レバーは下がっている。
ならばやる事は1つ
カイルは勢いよくレバーを上げた。
するとどこからか女性の声が聞こえる。
「地下シェルター解除。
地下シェルター解除。
地下鉄鉄道員は、路線点検作業を実施して下さい。」
ゴゴゴと重い音が地下6階“ホーム”から響く。
皆が驚きを隠せないまま音のする方に向かうと、
シーマとラナも驚愕する。
「来た時も去った時も気配をまるで感じなかった。
一体、何者なんだ?」
カイルはフーッと深く息をつく。
「とりあえず敵でないならそれでいい。
まずはこの部屋に入ろう。
ラナとゴッセンは入口の見張りを頼む。」
「はいはい。」
「謎解きは任せたぞ。」
部屋に入ると、訳の分からない複雑な装置が全て破壊されていた。
・・・いや、1つだけ上下に動かす大きなレバーが残っている。
レバーは下がっている。
ならばやる事は1つ
カイルは勢いよくレバーを上げた。
するとどこからか女性の声が聞こえる。
「地下シェルター解除。
地下シェルター解除。
地下鉄鉄道員は、路線点検作業を実施して下さい。」
ゴゴゴと重い音が地下6階“ホーム”から響く。
皆が驚きを隠せないまま音のする方に向かうと、
鉄路の奥に続く長い空間が出現していた。
そしてその壁づたいの奥には昇降機が見える。
「よし、あの昇降機を使えば
そしてその壁づたいの奥には昇降機が見える。
「よし、あの昇降機を使えば
奴隷商アラクネの迷宮Cブロックに侵入出来るはずだ。
慎重に行くぞ。」
カイルの台詞とは裏腹に、カイル以外のメンバーは
『慎重って言いながら、カイルって大胆な行動するよねー。』
と、皆どの辺までが慎重なんだろうか?
慎重に行くぞ。」
カイルの台詞とは裏腹に、カイル以外のメンバーは
『慎重って言いながら、カイルって大胆な行動するよねー。』
と、皆どの辺までが慎重なんだろうか?
と思っていたりするのであった。