最初は悪態をついていた新人だ
しかし数日もすると慣れた
別に口を利かなくても不便はない
久司はマイペースを貫いていた
新人の胸のネームは鈴木とあった
何度か仕事中なのに黙って久司に煙草を手渡す時もある
以外に良いヤツなのかもしれない
久司の妻の幸子は久司が帰宅する頃には仕事で居ない
共稼ぎは、すれ違い
娘も部活に一生懸命で、やはり暫く顔を見ていない
帰宅したって寝るだけ
最近の久司は警備室に泊まる事が増えた
その日も普通に新人の鈴木は出勤してきた
珍しく久司に『飲むか?』
ビールの差し入れだ
『いや仕事中だし結構です』
断ったが、親しくなるチャンスだ
一緒に飲んだ
『鈴木さん家族は?』
飲みながらなら会話も弾むと思ったが
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
鈴木は、相変わらずの男だ
『鈴木さん、私、仕事に戻ります』
名前で呼んだのがまずかったか?
『名前で呼ぶな』
怒鳴った
新人のくせに生意気だ
久司も怒鳴った
『何なんですか、黙ってたらいい気になって』
鈴木は凄い形相で出て行った
その日、鈴木は戻ってこなかった
久司は誰も居ない警備室で残っていたビールをあおった
『あんなヤツ、居ない方がましだ』
しかし、次の日は普通に仕事にやってきた鈴木
子供の喧嘩のように互いは無視を続けていた
夜中のビルの警備は楽しい
懐中電灯を持ちビルの中を見回る久司
自分の靴音が木霊する
コッコッコッ
2度目の見回りを終えて警備室に戻った久司の耳に鈴木と女性の会話が聞こえてきた
『帰ろうよ』
『・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。』
『そんな事したって無駄だって』
痴話喧嘩だな?
立ち聞きする気はなかったが二人の居る警備室に入れない
久司はドアの側で女性が帰るのを待った
どれほど経ったのだろう
久司はドアの側で眠ってしまっていた
いつの間にか女性が帰ったらしい
鈴木がドアの側で久司が眠っているのを知ってか知らずか?
無視して仕事の見回りに出ていった
久司は気付いた
鈴木の足音がしない
久司は、そんな鈴木の後を付けた
自分の靴は音がする、靴を脱いでのビルの中の尾行
鈴木は、やはり途中で消えた
久司は急に鈴木が怖いと思った
警備室に戻ってきたら何が何でも話しをしなくては
そうだ、絶対に素性を聞き出さなくては
そんな思いで警備室にもどった久司に妻の幸子が手に包丁を持って待っていた
『幸子、お前どうやってビルの中に・・・・』
『貴方、貴方のせいよ』
うわ~っ
皆んなどうなってしまったんだ
久司は靴音を立ててビルの中を逃げまくっていた
*:・'゜☆。.:*:・続く゜'・:*:.。.:*:・'゜:*
毎日、楽しく怖く更新するぞ~(* ̄0 ̄)/ オゥッ!!
今日も応援エール宜しくお願いです
ポチの数って嬉しいものだブイ V(=^‥^=)v ブイ
応援のポチッ嬉しいです。
どうか力の源の応援を宜しくです!!
↓↓↓
ブログ村のプリンちゃんメロンちゃんに
どうか、どうか、投票お願いです
見て下さる方の為だけに
ひたすら頑張ります
↓↓↓