先週の土曜日(11/9)グリーンパレスにて開催された、
「江戸川区の歴史を学ぼう」考古学ゼミナールPart2 弥生時代」
に出かけてきました。
江戸川区の歴史を学ぼう
考古学ゼミナールPart1 弥生時代
講師:大妻女子大学講師・熊野正也先生
日時:平成25年11月9日(土曜日)午後3時~4時30分
会場:グリーンパレス
主催:江戸川区歴史民俗史話会
後援:江戸川区教育委員会
→http://www.city.edogawa.tokyo.jp/eventcalendar/kozakoen/251019history/index.html
「江戸川区の歴史を学ぼう・考古学ゼミナールPart2」の
第3回は大妻女子大学講師・熊野正也先先生の「 弥生時代」です。
以下、図や写真とともに5つのお話がありました。
1、弥生時代の年代について
2、水稲耕作の開始について
3、大陸との交渉について
4、金属器の使用について
5、弥生時代と魏志倭人伝についてなど
講義資料を参照引用しながら概要をアップします。
1、弥生時代の年代について(杉原荘介と佐原真による)
・早期BC500~BC300ころ
・前期BC300~BC100ころ
・中期BC100~AD100ころ
・後期AD100~AD300ころ
自然の恵みをカレンダーにそって狩猟採取した縄文時代とは
異なり、自然を観察をして水稲耕作という生産過程に入り、
大陸との交渉が行われた時代が弥生時代とのこと。
上記の時代区分は、杉原荘介・佐原真、両氏によるもので
杉原荘介氏の弥生時代(前期・中期・後期)に早期を
くわえたのが佐原真氏とのことです。
2、水稲耕作の開始について
弥生時代の大きな特徴のひとつ、水稲耕作、
種もみから収穫まで行われていたことわかる水田跡が
日本で最初に発見されたのが登呂遺跡である。
カマではなく石包丁使用。鉄器伝来により矢板など
水稲耕作の環境が整えられた。
3、大陸との交渉、4、金属器の使用、5、弥生時代と魏志倭人伝について
青銅器関連で最初に鏡が入ってきた。
「魏志倭人伝」の女王卑弥呼が魏に遣使をした際、帝から「親魏倭王」金印と
銅鏡百枚などを授かったという記述から、銅鏡は邪馬台国の所在地の手掛かり
ではないかといった研究がある。
銅鐸・・・音の出る道具、楽器。祭祀に使われた。
銅鏡のレプリカ・・・神像が三体、獣像が 五体描かれています。
金印のレプリカとともに手にとって見ることができました。
※土器作りについて
大陸から入ってきたという可能性もあるが、同期に日本で
作られたという可能性もある。横須賀の夏島貝塚遺跡で
放射性炭素法で1万年前と解明された土器が出土しており、
日本で同時多発的に作られたとも考えられる。
・・・日本の旧石器時代の扉をひらいた岩宿遺跡発掘、
同じく日本初の水田跡が発見された登呂遺跡など
時代のエポックとなった発掘をはじめ、いくつもの
エピソードとともに語られた調査研究のお話は
とても面白かったです。
また、考古学の検証方法についても学ぶことができました。
※参照引用:江戸川区の歴史を学ぼう「弥生時代」11/9資料→https://plus.google.com/u/0/photos/108303837386487837342/albums/5945719131042976881
考古学が実証科学であるとともに歴史学の側面をもつこと、
史料批判によって評価された歴史や文化の誤りを発見し
正すことできる学問、ものの形状に注目し、本質にせまることの
できる学問であるとのお話が印象的でした。
記念講演「人類の誕生~」、第1回「縄文時代」、今回の
第2回「弥生時代」と講演を3回聴講し、系統的に歴史を学ぶ
ことができ、人の移動、文化の伝播については、一部異なる
学説も聞け、とても勉強になりました。
このたびPart1の全5回講演は、歴史の大枠をとらえるものであり
それに続くPart2、Part3は、江戸川区最初の住人は?といった
区内の歴史にせまる講座になるとのこと、今から楽しみです!
※参考引用:11/9江戸川区の歴史を学ぼう考古学ゼミナールPart1弥生時代講義資料
関連ブログ:
・江戸川区の歴史を学ぼう 考古学ゼミナールPart1縄文時代 2013-11-06
・「江戸川区の歴史を学ぼう」~記念講演「日本最初の人類は…」2013-10-21
・江戸川区郷土資料室文化財講演会「上小岩遺跡が語る 卑弥呼の頃の江戸川区」&小岩遺跡出土品の特別展示 2012-03-17