10月23日(金)~11月30日(月)まで展示と講演会の二本立てで開催中の
「地図展2015」、本日は講演会のほうへ出かけました。
講師は今尾恵介氏、日本地図協会客員研究員・地図地名エッセイストであり
地図好きならば知らない人はいない御仁です。
講演テーマは「地図でたどる太平洋戦争前後の東京」でした。
実はこの手の講演会ははじめてです。
地図というとマニアックなイメージで、私などお呼びではない雰囲気だったらどーしよう(;^_^A
と内心ドキドキだったのですが、会場には女性も数名いて
何より今尾先生のフレンドリーな語り口にほっとしました。
「講演時間2時間のつもりで作成したものを1時間で」とのことで
実にたくさんの地図、資料をもとにお話がどんどん進みます。
戦時改描(※)についてのお話、
東京馬車鉄道、不要不急線、駅名変更といった
時代がしのばれる鉄道のお話など
知らないことが沢山あり、とても勉強になりました。
感想を思いつくままに書きます。
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様々な角度で地図をつぶさ検証していくと、その時代の
人々の心の襞のようなものまで透けて見えてくるのかも
とか
世の中の情報と呼ぶものの中に位置情報を含まないものはほとんどない。
ということは、位置情報をひとつひとつ検証していくと全体が見えてくる。
これはパズルみたいだ!面白い!!
とか
政治色がそのまま反映された地図、偽りを記した地図、地図の歴史を通して
人の愚かさを知る。そして平和を願う。
こんな時代だから余計、ネットといった便利なツールなども活用して
過去の悲惨な体験を繰り返さないよう、みんなで学ばないとね。
など
・・・聴講しながら、いろいろ去来しましたよ。
地図はまさに思考のツールですね。
〇11/26 追記
※戦時改描・・・「戦時改描図に見られる粗略(わざと下手に書いた)
ともいえる描き方は、精緻な地図を作ってきた技術者が虚偽の地図作成を強いられたことへの
せめてもの抵抗ではなかったのか・・・確証はないのですが」
といった地図の行間(空間かな?)を読んだお話、非常に興味深かったです。
あと当時の地図の更新についてのお話も勉強になりました。
いろいろ知らないで地図を見てたなぁ・・・と思った講演なのでした。