近藤さん、とは「
ながさき南部生産組合」の代表理事を務めている、近藤一海さんのこと。
ながさき南部生産組合は、食の安心・安全を気にしている人なら、きっとどこかでお目にかかっているであろう、長崎県にある農産物の生産者集団。生活クラブをはじめとする生活協同組合、それに大地の会、らでぃっしゅぼーやなど、さまざまな顧客の厳しい基準をすべてクリアする「環境・生態系重視」の農作物を生産している。
でも安心・安全な食べものの生産者、というだけならそんなに驚くことはない。ムリして長崎に行くまでもないだろうと思う。しかし近藤さんは、今でこそあたりまえのように消費者に求められる食品の「トレーサビリティ」の必要性に今から30年以上も前に気づき、生産者自身が管理できるシステムを構築し広めた方である。
加えて…というより、ワタシが一番感心しているところは……近藤さんの「持続可能な農業」という発想。
汚染、砂漠化、枯渇、荒廃、絶滅…異常な事態を目の当たりにして、ようやく「“それ”は持続可能なものであるか?」が問われるようになった。持続可能なエネルギーしかり、持続可能な社会しかり…
しかし、そのずっと以前から近藤さんは「農業を持続可能なものにしていかなければならない」と説き続けていた。
農業における持続可能性とは、なにも生態系への影響に配慮し、誰にとっても安心・安全な農作物を生産することだけではない。「いかに農家が農業で生計を立てられるか」も重要な視点だ。農業を後継する人、次世代を担う子どもたちの目に、農業が魅力ある、誇りある職業として映るか…
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近藤さんの本を読むと「産直」という新たな流通方法が、農家の運動だったのだ、ということがよくわかる。もちろん運動であるがゆえ、既存の組織からの執拗な妨害に遭うなどさまざまな壁にぶつかるのだが…。
なんともタフ。なんとも信念の人である。
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さて、とにかく長崎空港に到着。
長崎に来たのは、これで2度目。
前回はまったくの観光旅行だったので、なんだかずいぶんとちがった場所に見える。
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空港の五島うどん。あごだし、美味しい。
つみれやかまぼこが、やっぱりいかにもこちらのもの。
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島原半島に向かう橋を渡る。
目的地までの道のりは、近くなったり、遠くなったりしながらも海がほとんどずうっと見える。
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驚くほど赤い土。
あとで聞いたら、どうやらジャガイモ用の特別な土らしい。
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国見町のイチゴ。
おいCベリー・こはる・さちのか・紅ほっぺ
酸味のない「こはる」は、糖度が強い。「おいCベリー」は、ビタミンCの含有量が多い。どちらも、まだ一般には見かけない品種。
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いちご農家のワン。
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いちご農家のカエル。
頭の上が作業用手袋置き場にされているけれど、なんともりっぱ!!
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えー?もう?!
豆科植物ののグリーンカーテン、伸び始めていた。
そういえば、トウモロコシも5月には収穫・出荷だとか。
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雲仙普賢岳が噴火して、もうかれこれ20年。
平成新山、と呼ばれているとのこと。
頭からモクモク…火山を意識させる水蒸気が…
災害に見舞われた場所の緑は再生されたのだが、「まだ20年」とも思ってしまう爪痕も。
東日本被災地の映像がオーバーラップしてしまう。
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南島原市、到着。
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有明海の干潟の風景。
どんな生きものが棲んでいるんだろう。
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本日の宿は原城温泉・真砂。
ながさき南部生産組合の方々との交流会の会場。
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理事の永友さん、ワタシ、近藤さん。
農産物の価格を安定させるための原価の算出について…なるほど。
島原オーガニックランド構想……多くのものが自給自足できている島原。あとはエネルギーさえ自給できれば、もしかしたら島原は独立国になれる?!
話が深まるにつれ、産直といえどもバイヤーに泣かされていることを知りました。
ならば農家の声を直接消費者に伝える手段を持てば?
今はインターネットがあるのだから、いろいろ見直しできる気がするけれど?
少なくともfacebookは使えるよね。
スマホで今日の生育状況などを写真で発信してくれれば…などと話したら、おや?どうやら近藤さんは、ITは苦手なご様子。
どうやら、情報を管理する体制づくりまで手が回らないことも要因のひとつかも。
組織に若い理事も増えてきて、そろそろ世代交代を意識していることは確かなのだけど。
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近くのお店に移動し、食べた「つみれあげ」。
この集団の元気のモトは、麦酒と聞きましたが…焼酎もありか!
日付が変わっても、元気・ゲンキ・げんき…
頭の中では、島原で農業研修もいいなあ、などと思いながら近藤さんと何度も握手。
一度きりの人生の中で、出会える人はそう何人もいない。
近藤さん、ながさき南部生産組合の皆さん、貴重な時間をありがとう。……宿に戻り、爆睡
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朝から、さわやかに近藤さんのタマネギ畑見学。
なんと原城址のとなり。段々畑。
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畑からは有明海。
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ムスメさんご夫妻のトマトハウスにもお邪魔しました。黄色いプレートは害虫よけ。
おいしいトマトの水分が、からだ全体に沁みわたる感じ。
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トレードマークのてんとう虫が組合独自の有機肥料を物語っている。
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組合の直売所「大地のめぐみ」。
農産物だけではなく海産物なども。市販ではちょっと探すことのできないこだわりの逸品も勢ぞろい。
重量も自宅までの距離も考えず、ついあれこれ大量買い。
その後、一路長崎空港へ。
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あっという間の1泊2日。
再び空港に戻ってみたら、おやまあ、なんというか…誰も来なさそうなところにひっそりと展示されている、なんともゆる~いちゃんぽん。
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羽田空港に到着すると夕映えに富士山。
駈け足のあわただしい日程だったが、行ってみてよかった。
これからも応援します!ながさき南部生産組合。
…そして注目しています、近藤さん!