550『自然と人間の歴史・日本篇』日本学術会議の6委員任命拒否(2020~)と組織改正問題
そしての政府は、同会議に対し、政府の組織から独立させるような、揺さぶりをかけるとしか言えないような挙に出ているのであろうか。
こうした国からの独立の提案に対し、学術会議は警戒をしているようだ。2020年12月16日に政府側に提出した中間報告では、今後を巡り、①国を代表する機関としての地位②公的資格の付与③国家財政支出による安定した財政基盤④活動面での政府からの独立⑤会員選考における自主性・独立性の5要件が、引き続き必要としている。そして、現在の形態なら5要件すべてを満たすとした。
その上で、独立するとしても「5要件を満たす制度設計が可能なのかが論点」と、政府を牽制する形だ。
振り返ると、学術会議は、1949年に創設されて以来、そのあり方は何度も議論されてきた。近くでは2015年に科技相の元に設置された有識者会議があり方について検討し、この時は「現在の制度を変える積極的な理由は見いだしにくい」と評価しているところだ。
学術会議は、組織を云々する話には、こうした点を踏まえるべき、したがって設置法を改正してまであり方を変えなければいけないような「明確な理由がクリアになっているのか」としており、国民不在のままこの話が進められることに疑問を投げかけている形だ。
それにもう一つ、今回の問題がなぜ起こったのかをめぐっては、学術会議が、組織として軍事研究禁止を継続していることが、今回の政府措置の主な背景の中に含まれているのではないか。
これに関して、同会議の検討委員会が始まったのは、2016年6月のことだった。その前年の2015年に、「防衛装備庁の委託研究制度をめぐる論議がきっかけだった」(朝日新聞、2017年3月8日付け)という。
(続く)
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そしての政府は、同会議に対し、政府の組織から独立させるような、揺さぶりをかけるとしか言えないような挙に出ているのであろうか。
こうした国からの独立の提案に対し、学術会議は警戒をしているようだ。2020年12月16日に政府側に提出した中間報告では、今後を巡り、①国を代表する機関としての地位②公的資格の付与③国家財政支出による安定した財政基盤④活動面での政府からの独立⑤会員選考における自主性・独立性の5要件が、引き続き必要としている。そして、現在の形態なら5要件すべてを満たすとした。
その上で、独立するとしても「5要件を満たす制度設計が可能なのかが論点」と、政府を牽制する形だ。
振り返ると、学術会議は、1949年に創設されて以来、そのあり方は何度も議論されてきた。近くでは2015年に科技相の元に設置された有識者会議があり方について検討し、この時は「現在の制度を変える積極的な理由は見いだしにくい」と評価しているところだ。
学術会議は、組織を云々する話には、こうした点を踏まえるべき、したがって設置法を改正してまであり方を変えなければいけないような「明確な理由がクリアになっているのか」としており、国民不在のままこの話が進められることに疑問を投げかけている形だ。
それにもう一つ、今回の問題がなぜ起こったのかをめぐっては、学術会議が、組織として軍事研究禁止を継続していることが、今回の政府措置の主な背景の中に含まれているのではないか。
これに関して、同会議の検討委員会が始まったのは、2016年6月のことだった。その前年の2015年に、「防衛装備庁の委託研究制度をめぐる論議がきっかけだった」(朝日新聞、2017年3月8日付け)という。
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