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リアルにそんなことが妄想される、佐藤多佳子の小説『一瞬の風になれ』。
文庫本の帯には、「青春陸上小説のNO.1」と書いてあるけど、陸上小説なんてジャンルが、これまでにあったのか?
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2人は春野台高校陸上部に入部し、3年間、100m走、4×100mリレー、200m走、4×400mリレーと、とにかく走りぬきます。
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中だるみもなく、飽きさせもせず、次はどうなるの? と引っぱる、引っぱる。
その合間に、友情、家族、部活動、ちょっぴり恋愛の話題などが盛り込まれるけれど、すべては「走る」に集約されます。
よくもまあ、こんな小説が書けたものです。
1年から3年まで、いろんな大会を追いつつ、2人がいかに走者として成長していったかが、きめ細かく丁寧に描かれます。
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バトンのアンダーパスの練習シーンなど、目の前で練習が行われているかのように、飽きさせることなく話をつなぐ手腕はすぐれもの。
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文庫化されるのを待つだなんて、惜しいことをしたものです。
陸上競技で関心があるのはマラソンくらいのもので、これまであまり面白いとも思わなかったけど、この小説を読む限り、陸上には陸上の面白さがあるんですねぇ。
俄然、「走る」ことの気持ちよさが想像されるようになりました。
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つくづく、そういうことがリアルに思える、読み応えのある小説です。
誰が手にとっても、ぜったいはずさないと思うな。