サラ☆の物語な毎日とハル文庫

モーズ・アリソンは知らなかったけれど…村上文学の音楽について

 

こんにちは!

ハル文庫の高橋です。

一昨日のつづきになりますが、

村上ラジオ、「モーズ・アリソンを知っていますか?」の放送。

 

…知りませんでしたが、聞いてみて、好きかも、と思いました。

村上春樹ファンなら、あれほど「好きだ」と連呼されたら

ここはひとつ好きにならないとなーという気になりますね。

とはいえ、なかなか気持ちのよい、魅力的な音楽でした。

 

そして、村上文学というのは音楽にあふれているなーと

あらためて思いました。

 

「小説の書き方は音楽に学んだ」と村上さんは言っているそうです。

たしかに、「村上RADIO」のなかで語られたことのなかにも、

音楽があふれていました。

これほどまでに音楽に浸された作家を知らないなーと思ったり。

 

面白いので、TOKYO FMのホームページに掲載されている

これまですべての放送の記録の中から、

村上春樹さんの「音楽と自分」に触れた部分を、ざっと抜き書きしてみました。

(ほんとにザッと、です)

 

★ぼくは一人っ子で兄弟もいなかったから、昔から本と音楽と猫が友達だった。

 

★結局のところ、僕らはみんな自分の心に開いた穴を埋めるために、

音楽を聴いたり、小説を読んだりしているのかもしれません。

あるいは歌を歌ったり、文章を書いたりしているのかもしれない。

でも、そういう空白を抱えることって、人にとって大切なことなんです。

あまりそればかり意識すると疲れちゃいますけど、

ときどきふと自分の中にある何かの欠落に気づくことで、人生は逆に少し豊かになったりします。

 

★僕は、ジャズ喫茶に通ってマイルズとかコルトレーンとかを聴きまくり、

当時からオペラなんかも聴きに行ってました。救いがたく小生意気な少年だったんです。

 

★学生時代、1970年ごろに水道橋の「スウィング」っていうジャズ喫茶で

2年くらいアルバイトをしてたんですよ。

水道橋の「スウィング」は、今はもうないんですけど、モダンジャズをかけなくて、

ニューオリンズジャズとスウィングジャズと、

いわゆる中間派しかかけないっていうすごい偏屈な店でした。

僕はそこでアルバイトしているとき、いろんな古いクラリネットの人が好きになって、

そのなかでも北村さんのクラリネットがすごく好きでした。

仕事場に行くと、開店して最初のレコードをかけるんですよ。

その時のよく僕はテディ・ミーツ・エイジ・トリオの

「IT'S BEEN A LONG TIME」が好きで、いつもかけてたんです。

 

★僕が大学に入ったのは1968年。僕は神戸で育ったんですけど、

東京の大学に入って、すぐに行ったのが新宿「ピットイン」。

あの頃はジャズといえば「ピットイン」でした。

行ったその夜に、貞夫さんのカルテットが出ていたんです。かっこよかったですね。

 

★僕は文章を書くときに、その音を聴きながら書くんだけど、声に出して読むんじゃないんです。

目で読んでいると、音が出るんです。

すごく不思議な感覚なんだけど、目で読みながら自分の中で、

「内なる無音の音」みたいなものがあって……。

 

★だから僕はいつも言うんだけど、僕が小説を書くコツというか、要素というのは、

音楽と同じなんです。

第一にリズムがなければいけないということ。

それからハーモニー。そしてインプロヴィゼーション(即興性)。

この3つが僕にとって本当に大事なことです。

子どもの頃はずっとピアノを習ってたんだけど、

いやだったから途中で放棄してしまって……。

僕は楽器が弾けるといいなという気持ちはいつもあったんですが、

文章を書くようになってから、

楽器を弾くのと同じような喜びが得られるようになったんですよね。

 

★僕は小説家になって最初のうち、店を経営しながら小説を書いていたんです。

でも、執筆に集中したくなって、店を売って専業作家になりました。

店もけっこう繁盛していたんで、もったいなかったんですけど、

どうしてもそうしたかったんです。

でも周りの人はほとんど全員が反対しました。

「小説だけで食べていくなんて無理だから、商売は続けてた方がいいよ。

人気なんて儚(はかな)いものだからさ」って。

でもそれから40年近く、なんとか小説家を続けています。

 

さてさて、自分の楽しみで、村上コメントを並べました。

では、今日も素敵な1日をお過ごしください!!

 

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