拝島正子のブログ

をとこもすなるぶろぐといふものを、をんなもしてみむとてするなり

「ぞなもし」と「バカヤロー」

2023-10-30 09:24:33 | 言葉

今回出した粗大ゴミ。これだけの量を、4階から階段を3往復して運んだ。あたし、まだまだ体力があるみたい。一日経っても別にどこも痛くないし。でも、お財布には痛い。粗大ゴミを出すにはコンビニで粗大ゴミ券を買ってそれを貼らなければならない。昔は粗大ゴミを出すのにお金なんかかからなかったのにね。

うちの押入の中のモノ達の会話。「仲間が随分、島送り(注:粗大ゴミに出されること)になっちまったなぁ」「でも、おれたちは助かったんだからよかったよ」「馬鹿言え。今回助かっても、いずれは島に送られるんだよ。結局、早いか遅いかの違いだっつーの」あら、分かってるじゃない。その通りよ。既に、次回の島送り候補をピックアップしたわ。

考えてみたら、あたしの人生って、半世紀近くモノ集めに奔走して、その後は、集めたモノを棄てる人生。そう考えると空しいけれど、たまってたモノを排出するのはオツージと同じですっきりする。空しいのとスッキリが半々。

今や、漱石の「坊ちゃん」の文庫本ですら島送りの候補なの。だって、キンドルで読めるでしょ?しかも、字の大きさを拡大できる。これが大きい。紙の本の文字って小さくて読みづらいのよね。

その「坊ちゃん」で、主人公が愛媛の学校に赴任するんですけどね、土地の人が語尾に「ぞなもし」を付けるの。例えば、坊ちゃんが、俺の布団にバッタを入れやがって、って生徒をどやしつけると「そりゃ、イナゴぞなもし」って具合に(正確には、「ぞな」と「もし」の間に句読点が入る)。この「ぞなもし」はなんだろう?語尾だから「です」「ます」なんだろうな。でも、調べてみよう、と思ってググったら、「……ではありませんか?」と言うように、質問の意味合いがあると言う。へー。じゃあ、さっきの文章は、「それは、イナゴではないですか?」ってニュアンスか。なるほど、「もし」は尋ねるときの「もしもし」なわけね。ググってみてよかった。

対して、坊ちゃんは、すぐ「馬鹿」って言う。例えば、赴任先で仲良くなった同僚の山嵐からも「君はだれを捕つらまえても馬鹿呼よばわりをする」と言われるくらい。これは、坊ちゃんが江戸っ子なせいね。江戸っ子って挨拶代わりに「馬鹿野郎」って言いますもんね。知らない人が聞いたら喧嘩を売られてると思うかもしれない。江戸っ子に挨拶されて(馬鹿野郎と言われて)「馬鹿野郎とはなんだっ」って怒っても「挨拶なんだよ、馬鹿野郎」って返ってくるかもよ(そしたら終わらないわね)。そう言えば、昔、「馬鹿野郎」って言ったのがきっかけで国会を解散した総理大臣がいた(バカヤロー解散)。吉田茂さんね(一瞬、「吉田栄作」かと思った。「吉田茂」と「佐藤栄作」がごっちゃになったのね。「吉田栄作」は俳優さんよね)。ってことは、吉田茂元総理は江戸っ子?ググって見る。神田駿河台ですって。ほら、やっぱり!



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