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アリサカスクール(声楽・ピアノ・イタリア語・英語教室) 目黒・上越教室 ~マッサ・カンタービレ~

テノール歌手 有坂まさよしです。
アリサカスクールを東京都目黒区と新潟県上越市で経営しています。

始まり…。

2024-06-28 09:17:20 | 音楽


中世後期において、使徒パウロの言葉を浅慮な解釈をしてしまい、典礼での多声の声楽では高音域のソプラノやアルトも全て男声が歌うことになってしまいました。始めは声変わりをしていない少年たちに歌わせていましたが、旋律が精巧になり高度な技術と円熟した音楽性が必要になると、カウンターテナーのソプラノとアルトのスペイン人歌手たちが登場しました。その特別な歌唱法をスペイン人たちはムーア人から学び、彼らは歌唱法を秘密にして教会音楽における地位を独占することに成功していました。しかし、十六世紀の終わり頃ローマ法王庁聖歌隊の空席を埋めるためのオーディションが行われた時、スペイン人のフェルセット歌手たちとは異なる特別な音色のイタリア人歌手が現れました。このイタリア人歌手の特別な音色・響きは法王クレメンス八世を魅了し、聖歌隊に採用されることになりました。それによりスペイン人歌手たちの独占状態の終わりを告げ、カストラート歌手の隆盛が始まりました。イタリア人でペルージャ出身の優れたソプラノ歌手ジローラモ・ロジーニ、たった1人の歌手によってカストラートの時代が始まるとは…と思う今日此の頃です。

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勉学…。

2024-06-27 09:15:31 | 学問


知識は叡智を得るための手段であって目的ではないとしばしば感じます…論語読みの論語知らずになってしまう人が…。そして知識自体は道徳的感情に影響されるものだと考える今日此の頃です。

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楽譜…。

2024-06-18 15:21:25 | 音楽


楽譜は数式、公式、詩、格調高い文章のように様々顔を見せているように思います…だから、心耳心眼でそこにある謎、意味、理由、法則、理論、深意などをいろいろな分野をヒントに探究して、理解して、解釈していきます。その結果、自分自身の表現が創造され、伝統に由来する、個性豊かな表情が現れると考えます。クラシック音楽はとても自由なものだなと思う今日此の頃です。

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声楽と器楽の交流。

2024-06-15 09:51:56 | 音楽


音色、響き、声楽の表現、アクセントや抑揚、呼吸のリズムの観点からの朗読、感情表現などの声楽の機能が影響する声楽と器楽の間の密接な関係、つまり17、18世紀の歌唱法と器楽法の交流はショパン、リスト、タールベルクなどに受け継がれました。そしてピアノにその歌唱芸術が活用され、別の新たな道を開きました。様々な演奏家の中で、技巧は作品の内容の表現を欠いた技術能力の誇示ではなく、適切に実践され、人の心をつかみ、感銘を与える表現として息づいていきました。…イタリア留学時代にピアノの中に声楽的なものを感じる演奏に度々出会ったことを思い出します。器楽にも声楽の心が必要と思う今日此の頃です。

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ローマのイタリア人歌手たち。

2024-06-12 09:51:04 | 音楽


ローマにおいて、バロック期のイタリア人歌手には特別な性質がありました。それは声楽作品に描かれている感情、もしくは登場人物の感情をごく自然に、非常に現実主義的に表現していました。声楽様式にある種の音の強弱を必然的にもたらす際立ったアクセントと音節に分けた際立った発音を導入し、心の中の激しい動きや感情…苛立ち、軽蔑、喜び、失望、歓喜…など様々な感情表現ができました。バロック期のイタリア人歌手は技巧的な表現方法にも情熱的な表情を付け加えることができました。それは他の者が真似のできない歌唱方法でした。バロック期のイタリア人歌手には後年のヴェリズモ音楽に通じるものがすでにあったと思う今日此の頃です。

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文法用語…。

2024-06-07 22:19:29 | 言語


外国語の上達ために必要なことの1つに文法用語を正確に把握することが重要だと思うことがあります。イタリア留学時代に、語学の先生のもとでイタリア語のさらなるスキルアップのために学んでいる時に、文法用語の正確な認識を助言されたことを記憶しています。文法用語を的確に把握していると、その言葉や単語自体の働き、文章においての連結のさせ方や仕組み、非常に長い文章の読解などの様々なことをオートマチックに、スムーズに理解し使用することが可能になると思います。それと同時に国語の能力の向上も必要不可欠になると考えます。その文法用語自体の文字がわかったとしても、意味、作用、仕組み、活用の仕方などの多岐にわたることを理解していなければ全く役に立たないように思います。それはその外国語で文法用語を覚えたとしても…。母国語で文法用語による言葉の認識や活用がスムーズであれば、そのシステムを学んでいる外国語に利用でき、また比較検討もできると思います…。
外国語を学ぶときは1つでも多くの習得のための手段を持っているほうが良いと思う今日此の頃です。

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バロック期のフィレンツェ…。

2024-06-02 16:53:37 | 音楽


バロック期のフィレンツェでは考古学的興味を持って、プラトンの理想、ギリシャ神話、ギリシャ悲劇などから音楽を想像して作品を創り出すことに専念していました。そしてシンプルで物語を語るように、感情を豊かに表現するために言葉を十二分に際立たせる歌唱法、つまりレチタティーヴォ様式の歌唱法を考案しました。それにより文学的・哲学的理想を音楽で表現する方法がバロック期に築かれました。…それでイタリアの声楽作品は言葉で表現されていることがそのまま音楽になっているのだなと感じる今日此の頃です。

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