本日7日も停滞する梅雨前線の影響で、特に九州北部地方でまた洪水被害が出ているそうで、被害が最小限で済むように願っています。本当に近年の雨は以前の常識を超えて降ってくる。災害に対する備えも想定を上回る事が多々あり、人間の知恵の限界を悟る今日この頃です。さて、今回も災害にまつわる話を続けます。
4、ミズツキと地主考
ミズツキ(水害)と地主さんとどういう関係があるのかと言いますと、いわゆる大地主の出現にはミズツキが大いに関わっているんです。この大和川西では以前書いたように水害の頻発する地域でした。江戸中期頃になると本百姓の中に田を持たない小作人が出てきます。小規模自作人では水害などが収穫前に起こると年貢など免租されても次の年の種もみ、自身の食い扶持も無くなるわけです。よって、余裕のある家(質屋を兼業する農家)などから家屋敷・田畑を担保に米を借りるわけです。返済不能により所有権が移り小作化するわけです。特に明治期になると所有権が明確化され売買が自由になることによって非常に顕著になり、寄生地主」という言葉が誕生するぐらい小作人が増加しました。わが川西町でも「井戸太」と呼ばれる片山氏は、江戸中期より吉田屋として米相場や綿問屋として財をなし戦後農地解放が行われるまでは村内有力地主となりました。最盛期は近隣村も含め田畑100町以上家屋敷地も村内に多数所有されておりました。所詮大和の国中は小っちゃい盆地ですが、新潟県では千町地主も誕生しています。共通点はやはり河川の氾濫多発地域でした。以上