皆さん、おはようございます。
プロ研修講師・プロコンサルタント・中小企業診断士のあお先生こと青木公司です。
本日は僕が一部上場メーカーの人事部員だった時の前例のなかった大逆転内定の思い出についてです。
内情について話すけど社名は隠しますし、時効だからいいかってことで。
僕の前職の会社は一部上場の消費財を扱う会社で、売上高対経常利益率など利益率も非常に高く、自己資本比率などの安全性も図抜けた会社で業界NO1で世界にも進出してその売上高も高く、総合職の報酬も高い優良企業です。
文系総合職は本社系中心の有力重要職種を担う人を採用するので倍率も高く、当時数千人とか応募があって、6名通るかといった状況だったと思います。
選考は書類選考→GD+SPI→一次面接+YG→二次面接(部長面接)→最終面接(役員面接)という流れだったと思います。
そんな中、ある女性の学生が受験してきました。MARCH級のその女子学生だったのですが、TOEICも700点前後あって、学生時代の取り組みもしっかりしており、明るいけど落ち着いた印象で受け答えにも非常に感じのよさと的確な受け答えがありました。
僕の前職の会社は明確な学歴フィルターとかはありませんでしたが、特に女性には人気企業だったこともあり、早慶以上の受験者も多かったですが、その中でもしっかりした優秀さを感じました。
人事部の一般社員は書類選考、GD+SPI、一次面接とみて、「うちの総合職として十分な思考力、対人力があり、幅広い総合職層に対応できるタイプで、活躍できるイメージも持てる。明るく人好きするタイプだが、やや温厚で謙虚なところもあるが、入社したら十分、女性管理職も十分できるのではないか」という評価でした。
大変感じのいい人で、人事の採用担当女子が連絡しても、いつもさらに好感度が増すという状況でした。
それで3次選考を通し、部長面接でも一定の評価を得て、最終の面接に。
そして残念ながらここでNGが出ました。
「優秀で評価できる点も多いが、ずば抜けた思考力や突破力などがやや不足しており、総合職として極端に困難な場面などで、圧倒な力で突破するような推進力に乏しいのではないか。よって、悪くはないが、是非採用するという感じでもない」という△評価だったと思います。
人事の上級管理職から、「こういうことだから残念だけどしょうがない。」と言われました。
上記、さすがの役員の方々の評価。前半部分は本当に的確で、「優秀で評価できる点も多いが、ずば抜けた思考力や突破力などがやや不足しており、総合職として極端に困難な場面などで、圧倒な力で突破するような推進力に乏しいのではないか。」
確かに正しいのですよ。
・・・・・でもそうそうそんな人、いないって。
「・・・そんな基準で見られたら、自分も落ちちゃう!」そういう総合職社員もいました(笑)。
確かに、将来役員になって事業を統括するようなイメージはその時は持てない状況ではあったと思いますが、人は成長するのですよね。
また、その子がだめだと、さすがにそのあとの選考になっていくと、たくさん受けに来たとしても、だんだん、受験する人のレベルも下がっていくので、非常に厳しい。今年は採用枠を確保できないのではないかとも思いました。
それで、手を変え品を変え、上級管理職の方にアプローチして、「まだ、最終でダメでしたという連絡を本人にしていないので、再検討を」とお願いしたのですが、「一度、決まったものは変更、難しいよ。」と言われました。
それでもあきらめずに何度かお願いしました。
そんな中、第三陣の採用で役員面接までいったのですが通過者が少なく、「これならこの前見た女性がよかったね。」というコメントが役員からあったと聞きました。
そこで、人事の担当者たちみんなでそのコメントがでたなら、人事部で責任を持つので、なんとかその女性を内定出してくれないかと再度、人事の上級管理職にお願いしました。
今度は「みんなの意見はわかった。ちょっと掛け合ってみるよ。」と言ってくれました。
結果。彼女に内定を出すのにOKを頂きました!
やった!
すぐに彼女に連絡を人事の採用担当者から連絡をしました。
・最終選考から相当な時間がたって申し訳なかったこと。
・人事部一同、思考力や人柄、対人力に高い評価をしており、総合職として大きな期待をしていること
・もし、今でも会社のことが好きなら、是非飛び込んでほしいこと。
それを伝えると彼女から
・最終選考を受け1か月半近くたち、さすがにもう落ちたと思っていたこと。
・いくつか他社から内定ももらったが、第一希望の会社なので、ぜひ、入社したい
ということを言っていただけました。
ほんとうによかったです。
その後、その彼女は入社し、総合職として一生懸命に働き、いい仕事をしてくれていたと思います。
きっと今でも活躍していると思います。
まず、その状況で、一度、ダメという結論を出したのに人事の熱心なお願いと、状況を見て、決断を変えてくれた会社に大きな感謝です。柔軟性のある対応だったと思います。
そして、僕たち人事部も自分たちが通した学生に、自信と思いを持って対応したからそれができた。
そう思います。
そして、こういうことが、今の他の会社でも、是非たくさんあってほしいと思うのです。
最終選考まで行く学生は誰もが本気で受けていますし、しかもその会社にとって有力な社員になりえる人材と思います。
「人を落とすのではなく、拾い上げる。見出す。」
「今の彼らではなく、未来の力を見抜く。」
そうあってほしいのです。
そして相手が役員の方々であっても人事部の思いや考えを伝えぬく。
そうあってほしいのです。
もし一度、最終で不通過となってもあとで、やはり良かったかもと思ったなら勇気をもって、連絡したらいいじゃないですか。
僕たちが扱っているのは「人」なのですから。
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