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『よし』・『ゆき』、我が家に住むペンギン?の「ペン太」の散策記です!

難攻不落の岩山・岩殿山(山梨県:2010.1..2(土):2人)

2010-01-02 22:15:38 | 山歩(さんぽ)2010

 山梨県の岩殿山(いわどのやま)へ行って来ました。
岩殿山は戦国時代に武田氏配下の小山田氏が岩殿山城を築いて居城としていた山で、巨大な一枚岩の崖等に囲まれた難攻不落の城として知られていたとの事。
相模の国在住の我々にとって甲斐の国は異国の地。
そして横浜FCサポの我々にとっては、ヴァンフォーレ甲府が君臨するアウェイの地。
難攻不落の岩殿山を、我々は攻略する事が出来るのだろうか?

 写真は、登山道入口へ向かう途中からの岩殿山の全景。
何とも迫力の有る岩の塊だこと。
この時点で、その迫力に正直圧倒されていたのは内緒です・・・。

 登山道を登って直ぐの所に有る門。
その向こうに城の建物を再建したかの様な建物が有るのだが、此れが資料館兼プラネタリウムとの事。
折角来たのだから観たかったが、この日は残念ながら休館。
 建物も城を意識したかの様な物だし、決して子供が遊ぶ芝生の広場が広がる公園でもないこの城跡にプラネタリウム?
はて、このギャップは何だろう?
確かに天体観測に良さそうな場所だけど・・・。
それとも、嘗ての戦乱の歴史を反省し、平和を重んじると言うメッセージが籠められているのだろうか?
そして、現在のこの地は平和を感じながらカップルが集うデートスポットと言う事なのだろうか?
う~ん、謎だ。

 資料館を後にして登山道を登って行く。
山側は巨大な一枚岩、反対側は垂直な崖と言うとても下を見る事が出来ない細い階段をジグザグと登って高度を上げていく。
確かに此れでは大人数で攻めても効果が無い。
横に2人が並ぶのがやっとだが、それでは大きな身動きが出来ない。
傾斜も急だし、駆け上がるのがなかなか厳しい階段だ。
息を切らして登ってくる敵を、上から1人ずつ狙い討ちにすれば良いと言う何とも守り易い構造だ。

 眺めが良い場所は好きだが、足が竦む様な鎖場や鉄梯子、吊橋が苦手な私にとっては、この細い階段は心和む場所ではない。
確かに眺めは良いが、全然心休まる場所ではない。

 この日はこの後岩殿山の西に広がる大岩壁へ向かう予定だった。

 「先が思いやられる・・・」

心が折れそうになっていた事をカミサンに気付かれない様、取り繕っていた。

 写真は階段の途中に有る揚戸門跡。
自然の巨岩によって通路が狭くなっている事を利用し、此処に門を築いて守備を固めたとの事。

 岩山である岩殿山は、生活に適した地が少なく、数少なく面積も狭い場所に様々な施設を設けていた。
揚戸門の先に有る極狭い平らな場所は番所跡だったそうで、案内板が設置されていた。
とは言えこの場所も登山道と垂直な崖との間に有る細長い場所。
建設や補修はさぞや大変な作業だっただろう。
少なくとも私には出来ないし、命令だとしても御免被りたい。

 その先で道はT字路になっている。
西側は、写真の様に開けた場所で眺めが抜群に良い。
案内板に拠ると、
 「嘗てこの先に礫岩の大露頭が有り、物見台として利用されていたと思われる」
と言う事と、風化、浸食に因って崩落の危険性が増大した為、破砕撤去工事が行われた事が写真付きで記されていた。
撤去された岩が有った頃は、先端迄行く方も居られただろう。
岩は船の船首の様に船体が盛り上がって尖った物で、さぞや眺めが良かっただろう。
平成11年3月に完了したそうだが、映画タイタニックは1997(平成9)年の映画なので、ディカプリオが船首でケイト・ウィンスレットを支えるシーンの真似にもってこいだが、這い蹲って行くのがやっとな私には無理な話。
匍匐前進の2ショットで我慢してもらおう。

 岩殿山山頂部分は狭くてアンテナ施設が有って休憩には向かない。
然し、その下はほぼ平らで三の丸や馬場等が設けられた眺望の良い場所になっている。
写真は三の丸跡。
此処は西と南側が開けていて富士山も良く見える。
唯、此処を訪れたのは1月2日。
風が吹き抜けるこの場所は冬場の風が有る日は寒い。
写真の左手、山頂へ向かって直ぐの少し地面が凹んだ辺りだと風を避ける事が出来るので、冬場は其方の方が休憩に向いている。

 三の丸跡からの眺望。
逆行で見難いが、中央の奥に見えるのが富士山。
眼下は大月の町で、城が有った頃もこの様に眼下の街や山々が見えたのだろう。
城主になった気分でなりきってみるのもお勧め。

 「眺めは良いけれど、足腰が弱ってきたら此処迄上がってくるのも此処から下りるのも辛いね」
 「その都度負ぶってもらわないと上り下りがねぇ」

等と現実的な事を言うのは夢が無いので勘弁してもらいたい。
 唯、我々2人も魚好きなカミサンは

 「山梨は海が無いから、此処の城主だと新鮮な魚を楽しめないしなぁ・・・」

と、御不満の様子。
 う~ん、甲斐の国は矢張り我々には合わないのか。

 三の丸と山頂(本丸)の間に有る窪地。
この辺りが馬場だったとの事。
馬場と言うには幅が狭いが、元々平地が少ない山なので、このスペースに建てざるを得なかったのだろう。
眺望がきかないのが残念だが、風を避ける事が出来るので、此処で昼食にした。

 この日のメニューは暖かい春雨スープとコンビニのお握り。
そして大月駅前の桔梗屋で購入した大福と干し柿の和菓子。
桔梗屋は信玄餅で有名な山梨のお店。
各地に支店を出している。
 「正月だからお休みだろう」
と思っていたが、営業していてくれたので有り難かった。
意外なのはお握りや弁当、ロールケーキ等の洋菓子も販売していた事。
この日は御土産にロールケーキも購入。
折角出掛けたのだから、その土地の物をその土地のお店の味を食する事が嬉しい。
因みに干し柿の和菓子は素朴な味ながらなかなか私好みの物で好印象だった。
なかなか行く事が無い場所なので、誰か御土産にくれないかな。

 食後西の岩峰を行く予定だったが、のんびりし過ぎた事も有って予定変更。
東に下りて隣の猿橋駅迄歩く事にした。
此れだと時間に大分余裕が有り、寄り道も可能になる。
時間に余裕が有ると気楽だし、彼方此方立ち止まったり、観察・見学が出来るので楽しい。
 写真は下りの道。
此方も片側は岩壁、もう片側は崖の狭い道。
難攻不落の岩殿山城ならではの構造と言えるだろう。
でも、生活がし辛いし、誤って道から転落する事故も有ったのではないかと思う。
手摺り・ロープが有るとは言え、日没後は矢張り危険が伴う場所だと思うので注意。
 岩殿山は桜の名所として知られるが、花見で飲み過ぎた場合も危ないだろうなぁ。
千鳥足で歩くのは先ず無理だ。

 下りの途中、左手に七社権現洞窟への分岐が有る。
ロープを頼りによじ登って進むと、写真の岩屋が有る。
狭い場所なのだが、此処に兵舎が有ったと考えられている。
兵舎としての使用法と共に出丸として利用されていたと考えられているそうだが、現在利用しているのは時折訪れる我々の様な観光客と辺りをウロウロする鹿だけのようだ。
地面には、鹿の足跡が其処彼処に有った。

 猿橋には、日本三大奇矯の1つである猿橋が有る。
両岸の幅が狭いものの川底迄の高さが有る為に橋脚を付けられない事から刎橋(はねばし)と言う橋脚を設けない構造の橋になった。
此れは岸の岩盤に穴を開けて刎ね木を斜めに差し込み、岩壁から出ている部分の刎ね木の上に同様に刎ね木を乗せる構造。
写真の橋の根元部分がその刎ね木部分。
現存する刎橋は、この猿橋だけだそうで、鎌倉時代には既に存在したそうだ。

 猿橋その2。
刎ね木は結構大きい。
長さも短く、幅も狭い小さい橋だし、他に何か有る訳でもない。
「日本三大奇矯」と言う触れ込みやパンフレットや駅の案内等で期待してきた場合にはガッカリするかも知れない。
昔から有る建築工法が生かされた事や、現存する唯一も橋と言う事に重きを置いて見学する方が良いだろう。

 猿橋の橋の袂には、食堂が有り、大通り(国道20号)との間には、数軒の御土産屋さんが有る。
 駅迄は、国道20号を20分位の距離。
観光客向けのお店は無く、酒屋さんが一番多い。
コンビニは駅に向かって右側に1軒有るだけ。
御土産を購入する場合は、猿橋から20号迄の間のお店と20号から猿橋駅へ向かう道の途中に有るお煎餅屋さんになる。
お酒好きなら酒屋さんに入って地酒も良いが、私は普段飲まないのでお酒の事は分からない。

 岩殿山は、山頂から西側に延びる岩峰と、稚児落としと呼ばれる大岩壁が名所だ。
岩殿山城落城の際、城主小山田信茂の妻は追っ手に追われる中、赤子を連れてこの岩峰を歩いたが、赤子が泣いた為、此処から投げ落としたと言う事で付けられた場所。
滑落事故も発生している場所で、写真で見ると「おおっ」と思わず声を出してしまう鎖場やトラバース道が有る。
「おっかないなぁ」と言う気持ちも有るが、何れ歩いてみたい。



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