街の中央、山手にそびえる高知城
今年3度目の一人旅に行ってきた。かねてより、訪れてみたかった高知県である。今回、JR西日本のトクトク切符で、「四国くるりきっぷ」というのが発売され、それを利用しての旅だった。しかし、このきっぷは制約が多く、あまり自由感がなかった。まあ、3日間、乗り放題で14800円だから、文句は言えないが…。
今回の一番の楽しみは、最後の清流と言われる「四万十川」と、奇跡の清流と言われる「仁淀川」を見比べることだった。なぜだか分からないが、子供のころから川が好きで、どこを旅しても必ずその地方の最大の川を見に行く。山の中のローカル線は、ほとんど川の流れとともに走っているので、満足この上ない。この前の山形の旅も、日本三大急流のひとつである最上川をずっと見ていた。そして、その重厚な流れにため息が出た。
14時ごろ高知駅に着いた。初日の宿は眼下に仁淀川を見下ろす、ヨーロッパの城のようにそびえる「かんぽの宿伊野」である。伊野町は高知市から電車で20分の距離で、まだ2時間余り余裕があった。それでリュックを背負い、初夏の高知の街を歩いた。
駅真正面の道をまっすぐ歩くと、あの有名な「はりまや橋」に着いた。「行って三大がっかり」の観光地である(あと2つは札幌時計台、長崎オランダ坂)。『♪土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た、よさこい、よさこい』と、歌われているからどんなところだと期待されるらしいが、ただの街の横丁である。人口の小さな川に、ミニチュアのような赤い橋が架かっている。確かにがっかりだ(笑)
次は高知城を目指した。アーケード付きの商店街は広く立派な通りで、この日は日曜で買い物客もたくさんいた。商店街が活気があれば歩いてても楽しい。その横にいわゆるネオン街らしき町並みがあり、こちらも夜はにぎわっていることが想像できる。「う~ん、いい街だな高知は…」と、思わずつぶやいた。街の真ん中に鎮座する高知城も立派で、高知の町全体が見渡せる。
晴天の中を1時間半ほど歩いて汗びっしょり。高知はやはり坂本龍馬の街だ。龍馬の名前をあちこちで見かけた。特に飲食店に多かった。駅に戻ると30分ほど待ち時間があったので、駅中の居酒屋でカツオの塩たたきを肴に生ビール大を飲んだ。カツオのたたきなんてどこでも同じだろうと思っていたが、いや、やっぱり本場は違う。なぜ藁(わら)で焼いているのかが判明した。皮の焦げ目が半端なくうまいのである。身は大振りだし、粗塩がよく合つて、想像以上に旨かった。いっぺんでファンになり、この旅行中、昼飯はカツオのたたき定食ばかり食べた。
そして、宿に着き、仁淀川を眺めたが、何の穢れもない、清楚な川だった(続く)
今年3度目の一人旅に行ってきた。かねてより、訪れてみたかった高知県である。今回、JR西日本のトクトク切符で、「四国くるりきっぷ」というのが発売され、それを利用しての旅だった。しかし、このきっぷは制約が多く、あまり自由感がなかった。まあ、3日間、乗り放題で14800円だから、文句は言えないが…。
今回の一番の楽しみは、最後の清流と言われる「四万十川」と、奇跡の清流と言われる「仁淀川」を見比べることだった。なぜだか分からないが、子供のころから川が好きで、どこを旅しても必ずその地方の最大の川を見に行く。山の中のローカル線は、ほとんど川の流れとともに走っているので、満足この上ない。この前の山形の旅も、日本三大急流のひとつである最上川をずっと見ていた。そして、その重厚な流れにため息が出た。
14時ごろ高知駅に着いた。初日の宿は眼下に仁淀川を見下ろす、ヨーロッパの城のようにそびえる「かんぽの宿伊野」である。伊野町は高知市から電車で20分の距離で、まだ2時間余り余裕があった。それでリュックを背負い、初夏の高知の街を歩いた。
駅真正面の道をまっすぐ歩くと、あの有名な「はりまや橋」に着いた。「行って三大がっかり」の観光地である(あと2つは札幌時計台、長崎オランダ坂)。『♪土佐の高知のはりまや橋で、坊さんかんざし買うを見た、よさこい、よさこい』と、歌われているからどんなところだと期待されるらしいが、ただの街の横丁である。人口の小さな川に、ミニチュアのような赤い橋が架かっている。確かにがっかりだ(笑)
次は高知城を目指した。アーケード付きの商店街は広く立派な通りで、この日は日曜で買い物客もたくさんいた。商店街が活気があれば歩いてても楽しい。その横にいわゆるネオン街らしき町並みがあり、こちらも夜はにぎわっていることが想像できる。「う~ん、いい街だな高知は…」と、思わずつぶやいた。街の真ん中に鎮座する高知城も立派で、高知の町全体が見渡せる。
晴天の中を1時間半ほど歩いて汗びっしょり。高知はやはり坂本龍馬の街だ。龍馬の名前をあちこちで見かけた。特に飲食店に多かった。駅に戻ると30分ほど待ち時間があったので、駅中の居酒屋でカツオの塩たたきを肴に生ビール大を飲んだ。カツオのたたきなんてどこでも同じだろうと思っていたが、いや、やっぱり本場は違う。なぜ藁(わら)で焼いているのかが判明した。皮の焦げ目が半端なくうまいのである。身は大振りだし、粗塩がよく合つて、想像以上に旨かった。いっぺんでファンになり、この旅行中、昼飯はカツオのたたき定食ばかり食べた。
そして、宿に着き、仁淀川を眺めたが、何の穢れもない、清楚な川だった(続く)