先週、私の職場でGo Astros Dayなる企画がありました。
ヒューストンアストロズがワールドシリーズに進出したことを祝って、みんなでアストロズグッズを身に付けて仕事をしよう!といういかにもアメリカ人の好みそうな企画です。(ちなみにヒューストンでは毎年春ごろにGo Texan Dayなる企画があります。このときはみんなでカウボーイの格好をして仕事をします)僕はどうもそういう企画モノは苦手なので(そもそもTexanじゃないし)もっぱら見て楽しむほうに回っています。
そういえば、そろそろハロウィーンの時期でもあります。ここのところ職場のあちこちにお化けの飾りつけを見かけるようになりました。去年のハロウィーンのときは、だいの大人が着ぐるみをきて仕事場に現れたのを見て大変なカルチャーショックを受けたのを覚えています。
さて、というわけで、他にこれといった話題もありませんので、例によって先週観た映画の話をちょっとだけ書くことにします。
先週“Mondovino(モンドヴィーノ)”という映画を観ました。
この映画は日本でも公開になったようなので、ひょっとしたらご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
“Mondovino”はここ20-30年で大きく様変わりした世界のワインビジネスの現状を、様々な人物のインタビューを交えて描いたフランスのドキュメンタリー映画です。知り合いの方にこの映画の存在を教えていただいて以来ずっと観たかったのですが、先日近所の本屋の店先でDVDを見つけ、思わず衝動買いしてしまいました。
さて、この映画にはワイン好きなら一度は訪れてみたいと思う世界の有名ワイナリー(ボルドーのシャトー・ムートンやナパのオーパス・ワンなど)をはじめ、ロバートパーカー、ロバートモンダヴィといった今をときめく著名人達が多数登場します。
ただし、ワイナリーの美しい風景を純粋に堪能したいという向きにはこの映画はそれほどお勧めできないかもしれません。
なぜならこの映画では、世界各国のワイン業界を取り巻く光と影の部分、特にアメリカ発の経済至上主義がフランスのお家芸だった伝統的ワイン作りを根底から破壊しつつある現状の描写にウェイトが置かれているからです。
始めは笑顔でインタビューに答えていたワイナリーの担当者が、インタビュアーの痛い質問に思わず表情を引きつらせるさまを眼にしていると、本来長閑で美しいはずのブルゴーニュの田園風景が、まるで3流ガイドブックに載っている無機質な商業写真のように見えてきてしまいます。
なぜ、若いカリフォルニアワインは年代モノのフランスワインに似た味わいがあるのか、なぜオルネライアなどの一部のイタリアワインがスーパー・トスカーナなどともてはやされるようになったのか、なぜパーカーのレーティングに世界のワイン業者の視線が集まるのかといった話は、ワインを知っている人にとってはそれほど目新しいものではないかもしれません。しかし、こういったエピソードを通じてこの映画は、アメリカ型のグローバリズムによって急速に失われつつある地域性とか多様性といった伝統的価値の持つ意味を改めて問いかけてきているように思います。
この映画における“ワイン”は一種の“記号”なのです。
つまり世界中のあらゆる産業が同様に抱える普遍的問題のメタファーとして“ワイン”が語られているに過ぎません。
反グローバリズムという思想は時代の徒花なのか、流動性と多様性という相反する価値の住み分けを志向することは馬鹿げたことなのか?
残念ながらその問いに対する答えはこの映画のなかにはなかったように思います。
ヒューストンアストロズがワールドシリーズに進出したことを祝って、みんなでアストロズグッズを身に付けて仕事をしよう!といういかにもアメリカ人の好みそうな企画です。(ちなみにヒューストンでは毎年春ごろにGo Texan Dayなる企画があります。このときはみんなでカウボーイの格好をして仕事をします)僕はどうもそういう企画モノは苦手なので(そもそもTexanじゃないし)もっぱら見て楽しむほうに回っています。
そういえば、そろそろハロウィーンの時期でもあります。ここのところ職場のあちこちにお化けの飾りつけを見かけるようになりました。去年のハロウィーンのときは、だいの大人が着ぐるみをきて仕事場に現れたのを見て大変なカルチャーショックを受けたのを覚えています。
さて、というわけで、他にこれといった話題もありませんので、例によって先週観た映画の話をちょっとだけ書くことにします。
先週“Mondovino(モンドヴィーノ)”という映画を観ました。
この映画は日本でも公開になったようなので、ひょっとしたらご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
“Mondovino”はここ20-30年で大きく様変わりした世界のワインビジネスの現状を、様々な人物のインタビューを交えて描いたフランスのドキュメンタリー映画です。知り合いの方にこの映画の存在を教えていただいて以来ずっと観たかったのですが、先日近所の本屋の店先でDVDを見つけ、思わず衝動買いしてしまいました。
さて、この映画にはワイン好きなら一度は訪れてみたいと思う世界の有名ワイナリー(ボルドーのシャトー・ムートンやナパのオーパス・ワンなど)をはじめ、ロバートパーカー、ロバートモンダヴィといった今をときめく著名人達が多数登場します。
ただし、ワイナリーの美しい風景を純粋に堪能したいという向きにはこの映画はそれほどお勧めできないかもしれません。
なぜならこの映画では、世界各国のワイン業界を取り巻く光と影の部分、特にアメリカ発の経済至上主義がフランスのお家芸だった伝統的ワイン作りを根底から破壊しつつある現状の描写にウェイトが置かれているからです。
始めは笑顔でインタビューに答えていたワイナリーの担当者が、インタビュアーの痛い質問に思わず表情を引きつらせるさまを眼にしていると、本来長閑で美しいはずのブルゴーニュの田園風景が、まるで3流ガイドブックに載っている無機質な商業写真のように見えてきてしまいます。
なぜ、若いカリフォルニアワインは年代モノのフランスワインに似た味わいがあるのか、なぜオルネライアなどの一部のイタリアワインがスーパー・トスカーナなどともてはやされるようになったのか、なぜパーカーのレーティングに世界のワイン業者の視線が集まるのかといった話は、ワインを知っている人にとってはそれほど目新しいものではないかもしれません。しかし、こういったエピソードを通じてこの映画は、アメリカ型のグローバリズムによって急速に失われつつある地域性とか多様性といった伝統的価値の持つ意味を改めて問いかけてきているように思います。
この映画における“ワイン”は一種の“記号”なのです。
つまり世界中のあらゆる産業が同様に抱える普遍的問題のメタファーとして“ワイン”が語られているに過ぎません。
反グローバリズムという思想は時代の徒花なのか、流動性と多様性という相反する価値の住み分けを志向することは馬鹿げたことなのか?
残念ながらその問いに対する答えはこの映画のなかにはなかったように思います。
昔、話していたときに教えてもらった、衛星写真等で一流ワイナリーと同じ気候を探し、そこで葡萄を作ることにより一部のカリフォルニアワインが、ビンテージ化されていると言うような話とかのからみの映画なのでしょうか?まあ、日本では手には入らない映画でしょうね。そういう一部マニアックな映画を掘り起こして日本で格安で売るような商売したら成功するんじゃ??趣味と実益をかねてって感じで。
ところで、最近googleでは世界中の衛星写真を無料で見れるサービスを始めたとか?これによりホワイトハウスはもとより世界中の重要機関の周辺地図などが簡単に手にはいるそうです。ものすごい世の中です。。。
>>映画の話が2回続けて出てくる当たりがそういう状況かと(笑)
まあ、半分そういうところもあるかな?
一応、一週間仕事したご褒美として金曜の夜にDVDを一本観るというルールにしてるんだけどね。
>>カリフォルニアワインが、ビンテージ化されていると言うような話とかのからみの映画なのでしょうか?
それもあるけど、基本的には世界中の有名無名ワイナリーをガンガン買収して大きくなっているモンダヴィに対する批判という部分が大きいかも。
私もDVDを購入するかも。
でもちょっと幻滅。。。
結局、売れるワインというのは、著名なワイン評論家が高い評価を与えたワインということなのかしら?!
ワイン作りの舞台裏に、そんなカラクリがあったなんて、、、。
ワインの本場フランスでは、本当に美味しいワイン(小さくても情熱を持っているドメーヌのワイン)は輸出するほど生産されていないと聞いたことがあります。でも時代の流れで、そういう地道に昔ながらの手法でやってもいても効率や売上が悪いと、結局は巨大企業に取り込まれてしまうのかと思うとちょっと悲しいです。
まあ、ワイン通でもないし、適当に自分で美味しくワインを頂ければ、私は幸せです。
ヒューストンは如何でしたか?堪能されましたか?
ちなみに今日のヒューストンはとても寒かったです。そろそろ上着が必要です。
とはいっても、ヒューストンの気候は寒暖の差がはげしいことが特徴なので、寒い日があったかと思えば半袖でOKなんていう日もあるから侮れませんが。。。
>>私もDVDを購入するかも
残念ながら日本版は発売になっていないようです。
もしアメリカ版を購入される場合はリージョンコードに気をつけてくださいね。(って大きなお世話?)
PCで再生できるのかな?
リージョンコードの件!やられた~!
そっかあ、アマゾンで売ってるから買おうと思ったのに、、、。残念。
↓これも見てね!
http://www.mondovino.jp/
ヒューストン楽しかったですよ。(それなりに)
毎晩、ブラックストーン(赤ワイン)とマティーニのコスモポリタンを何軒も飲みに行きました。
WildWest(カントリーミュージック専門ののクラブ)へ行って踊ったりもしました。(笑)もっとも、その日はアストロズのワールドシリーズをかけた重要な試合があった日だったので、皆踊らずにテレビに夢中になっていましたが、、。
そう今日は寒かったらしいですよね。
あんなに高温多湿なところが、一気に冷え込むんですね~。不思議!寒暖の差ね、、、。
ハリケーンもウィルマだのアルファだの相変わらず、多発してますよね。メキシコ湾の気温を上げないような対策があるといいですよね。
去年の10月にフロリダに住むアメリカ人の友人の家に遊びに行った時、
「地球の温暖化が進んでしまったのは、中国が環境汚染とか考えずに工場を建設したり、自動車を乗り回しすようになったからだ。」
っと皆が口をそろえて言ってました。
まったくっ!!他の国を非難する前に自分の国はどうなんだって感じだけどね~!
Kaz-nさんが好むようなカンヌ趣味な映画やドキュメンタリー映画は、ヒューストンでも上映されるんですか? ヒューストンの映画館というとアリガチ(?!)なシネコンしか思い浮かびませんが、、。
監督もつい最近来日したようです。
ジョナサン・ノシタン監督インタビュー
http://www.unifrance.jp/yokohama/index.php
渋谷アミューズCQNより10月29日より上映情報
http://www.cineamuse.co.jp/cinema/index.php?cinema_id=146
ってことで、やっぱり映画はDVDじゃなく映画館でみるほうが好きっ!なので行って来ます。
(^^)/~~~~~
By Chidorikko
そうなんですね。これからですか公開は。てっきりもう公開済みかと思ってました。
基本的にインタビューだけで構成されているので、人によっては飽きちゃうかもしれませんが、いろいろ考えさせられることの多い映画だと思います。みたら是非感想を聞かせてください。
>>中国が環境汚染とか考えずに工場を建設したり、自動車を乗り回しすようになったからだ
自国中心でしか物事を考えられないのはどこの国でも同じでしょうか(笑)。
でも、僕だったら笑顔で「そうだね。中国は問題だね。アメリカの次に。」って言っちゃうかも。
趣味のいいヨーロッパ映画などをよく上映している映画館は僕の知る限りでは一軒だけあります。といっても映画館まで足を運ぶことはほとんどなくて、もっぱら自宅でDVDを観ることが多いんですが。。
それから、監督のインタビューみました。
かれもソムリエなんですね。納得。
ちなみに、彼のインタビューのなかのこういうコメント。
Q.ワインのグローバル化への疑問から、この作品を撮ったのですか?
いいえ、ワインは夢と喜びの表現であり、人間ドラマです。生きる喜び、狂気、人間模様、生活の方法。シュールですばらしい人々の人生に入ってみたいというのが出発点です。まるでフィクションを撮っている気分でした。登場人物たちの生き方が想像を超えていたからです。4年の撮影を続けられたのは、彼らの持つエネルギーのおかげです。
なるほど。監督の意図は必ずしも反グローバリズムにあるわけではないようですね。