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2024年振り返り。(その3)

2025-02-06 15:12:33 | 君がいない窓に響く空しい「ひとりごと」
 2024年のに読んだ本を振り返る投稿3回目。

 まだ4冊しか書いてないのに、もぅ2月です。
 ということで早速…。

 (2つめの小説が引用が多くて文章が長いので、お時間あるときにどうぞ)

『魔人探偵脳噛ネウロ 世界の果てには蝶が舞う』
 松井優征さん・東山彰良さん 小説JUMP j books(集英社)
 (2007年7月25日第1刷発行/2008年3月11日第6刷発行)

 漫画『魔人探偵脳噛ネウロ』の小説バージョンです。

 『ネウロ』は、未だにカバンにマスコットを付けている(たまにブログにも登場する)
 「殺せんせー」でおなじみ『暗殺教室』の松井優征先生の作品で、デビュー作であり、
 初連載・初アニメ化された漫画なのですが、
 一昨年の春ごろ『ネウロ』が期間限定無料公開されていて、それまで絵が怖くて
 (しかも一話の話も怖い!ので)ちゃんと読んだことがなかったのですが、
 面白さに引き込まれて読んでいたものの、新年度(しかも新入生)の書類の提出日に追われ、
 すっごく気になる所で止まってしまい…。
 
 『暗殺教室』自体が(2012年~2016年に)連載が終了しているくらいなので、
 『ネウロ』はもっと昔の作品(2005年~2009年)の作品で、集めるのが大変でしたが、 
 単行本だと23巻まであるので、文庫版全12巻で集めました!
 (文庫版未収録の短編があるので、単行本23巻のみ購入)

 そのときブックオフの検索で出てきたのがこの本。

 いつもの松井先生のストーリーも、もちろん良いのですが、
 東山さん(ミステリー作家)による笹塚さん(刑事)が主役のお話は、本編以上にハードボイルドでした。

 
『恩讐の彼方に』菊池寛(『藤十郎の恋・恩讐の彼方に』新潮文庫収録)
 (昭和45年3月25日発行/平成23年12月10日56刷改版/平成26年1月30日57刷)

 『税金で買った本』という漫画で、主人公の石平くんが図書館員さん薦められて読んで
 
 『人を殺したオッサンが壁を何十年も掘って、穴を空けて なんか許される話だった』
 と表現したので、
 「どんな話よ?」
 と気になって、図書館で借りて読み始めたのですが…。

 まず「『中央公論』大正8年1月号に発表」という仮名遣いに慣れるまでが大変!
 (わりと読み易い文章ではあったのですが)
 そして
 「こんな文章を本好きとは言え、ヤンキーの石平くんがスラスラ読めるかいっ!!」
 と心の中でツッコミ(笑)

 <あらすじ>
 主人の寵妾(お気に入りの愛人)と道ならぬ恋をした市九郎は、処罰しようとした主人に最初は抗うことをしなかったが、
 『どうせ死ぬのだと思うと、其処に世間もなければ主従もなかった。』(死ぬ気になれば対抗してもいいだろう)
 と打ち合った後、主人を殺してしまう。
 深い悔恨に囚われて自殺も考えたが、女にそそのかされて一緒に逃げてしまう…。
 しかし主人の所から持ってきた金もすぐに底をつき、悪事に手をのばす…。
 美人局→強請(ゆすり)→窃盗強盗、1年に3,4度の生活を経て3年目になった。
 (昼間は峠の茶屋、夜は強盗)
 そこである若夫婦が店に立ち寄り、女にせかされて後を追うが、
 心の底では幸福な旅をしている男女を殺したくはなく、抵抗しなければ身ぐるみ剥がすだけで済ますつもりが、
 夫に顔を見られ抵抗されたため、二人を殺してしまう。
 金と衣装を持ち帰ると、女にかんざしなどを持ち帰らなかったことをどじと言われ、
 女が盗りに行っている間に嫌気がさして出ていく…。
 その後、あてもなく行き着いた先で、和尚に懺悔し、得度して許される(!?)

 このあらすじはまだ途中なのですが、この時点で石平くんの言ってた通りで
 「はっ!?この人、何人殺してるの??」
 「うちの白糸(私が卒論で扱った泉鏡花の『義血侠血』という作品の主人公・滝の白糸)は、2人しか殺してないのに…」
 (白糸さんは、大切なお金を物盗りに盗られ、犯人の落としていった包丁を拾って、
 たまたま戸の開いていた家に入り夜中なので主に警戒され、勢いで主と奥さんを殺してしまい、
 落としていった包丁から、物盗りに疑いがかかるものの…最後は罪を償います。)

 このあと“鎖渡し”という山国川の絶壁をめぐるように架けられた橋から落ちた死体を見て、年に数人こうして亡くなるのを知り、

 『市九郎は、自分が求め歩いたものが、漸くここで見附かったと思った。一年に十人救えば、
 十年には百人、百年、千年と経つ内には、千万人の命を救うことが出来ると思ったのである。』


 と絶壁をほり貫いて道を通じるように、初めはバカにされながらも、21年かけて開通させるのですが、
 その途中で噂を聞きつけて、主人(最初に恋愛沙汰で殺めた人)の子が敵討ちで来ていて、
 完成したあとに殺す(殺される)約束をしていたのですが、

 『心の底から湧き出ずる歓喜に泣く凋(ひな)びた老僧の顔を見ていると、
 彼を敵として殺す事などは、思い及ばぬ事であった。』

 と手を取り合って泣いて終わるんです。

 「はっ!?
 本当に『人を殺したオッサンが壁を何十年も掘って、穴を空けて なんか許される話だった』」
 とビックリしました。

 長々と書いてしまいましたが、とりあえず更新します。

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