明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

baby

2013年07月31日 | 英語

私は、よくスマートフォンで『スーパーアンカー』を読んでいます。特定の語を調べるのではなく、"当てもなく"思いついた語を調べると時に興味深いことに気がつきます。

 ある日、いつものように『スーパーアンカー』を読んでいたときのこと、何かの例文にa baby girlという表現が掲載されているのに気がつきました。日本語では「女(の子)の赤ちゃん」と言いますが、その逆の「赤ちゃんの女(の子)」とは言いません。「なるほど、英語ではこういう順序で言うのか。ということはbabyは形容詞的な役割をしているのかな」などと思い、続けてbabyを調べてみると、その項の5に


[形容詞的に]赤ん坊(用)の;赤ん坊のような;小型の

 

という記述がありました。その最初の例文には


a baby boy 男の赤ちゃん(→a boy babyということもある)

 

と、補足説明がありました。その記述を読み、「そうか語順はどちらでもいいのだな」などと思い、後ほどgoogleを用いて検索をしたところ圧倒的にa baby boyの方が多くヒットしました。ちなみに、「Catherine "boy baby"」と「Catherine "baby boy"」とではどちらの方が多く使われているかどうかgoogleで調べましたら、やはり後者でした。
 それから数週間後、3ヶ月間の使用登録をしたOEDのオンライン版でbabyを引き、形容詞的用法を見ると、そこには


There's a babier baby than Mike.

 

という例文があり、非常に驚きました。形容詞そのものではなく、形容詞的であっても、比較級が存在するのだと妙に納得をしました。
 しかし、その驚きを上回る発見がありました。先日、再びbabyを『スーパーアンカー英和辞典』(第4版)で調べ、上から順番に見ていくと、


"I have to change the baby."「赤ちゃんのおしめを替えなくては」

 

という表現があるではありませんか。あまりの驚きに思わず声が出てしまいました。詳しくは分かりませんが、おそらく比喩の一種、換喩だと思います。

 小学生でも知っているような語も満足に知らないことは、恥以外の何ものでもありません。ただ、ひたすら学ぶだけです。【大塚孝一 M1】


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2 コメント

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Unknown (Joe)
2013-08-01 21:07:52
こういうのって第2言語じゃないとなかなか気がつきませんね。change the babyの奇妙さに初めて気がつきました!
こういう例ってたくさんありますよね。「Take the Shakespeare off the shelf」とかも普通にいいますし。慣用的に使われていない表現でも文脈さえ許せば使えそう。「Could you get my apple?」を言って実際意図しているのはりんごではなくIpodとか… 言語と生活はいかに関わりあってるかよくわかる現象ですね
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Unknown (大塚孝一)
2013-08-02 22:41:28
Joeさん
 いつもコメントをありがとうございます。
 L2よりもL1の方が無意識に使えるので、L1の事に関してはなかなか気づきにくいですね。
 Joeさんが挙げてくれた比喩が使えるようになると、英語らしさが増すように感じます。
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