明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

応用言語学特論

2013年05月24日 | 院生生活

 

明海大学の博士前期課程には、「応用言語学特論」という授業があります。これは、博士前期課程の1年生が履修する授業で、大学院で教えていらっしゃる先生方が、オムニバス形式で、それぞれ授業をご担当になるものです。このような授業がユニークなものであるかどうかはわかりませんが、わたくしたち院生にとりましては、非常に有益であります。


 明海大学は応用言語学研究科です。一般的な意味での応用言語学は、一般的な意味での理論言語学を基盤にして、研究の成果を社会に還元することを目的としています。一方の理論言語学は、社会への還元を目的とはしていません。あくまでも理論の構築を目標にしているわけです。故に、応用言語学を先行している学生は、「理論言語学なんてやって意味があるのか」という考えを持っているような気がします。実際、私は以前そういう考えを持っておりました。しかし、それは間違いだと気がついたのです。私がカナダのカールトン大学に留学していた時は、応用言語学を専攻していましたが、同時にFormal semanticsやSyntaxを履修しました。Formal semanticsは、私にとって非常に難解なものであり、大袈裟では無く、泣きながら勉強していたことを今でも覚えています。しかし、そうした経験は学問的にも精神的にも私の中で活きています。カールトン大学を卒業する時には、これらの授業を履修して本当によかったと思ったものです。やはり、理論言語学を基盤にして、応用言語学を勉強しないことには、応用は本当の応用になりません。「僕は数学の基本問題はできないんだけど、応用問題は解けるんだよ」というナンセンスな話は無いわけです。


 このリレー講義は、大津由紀雄教授の「理論言語学と応用言語学の定義」から始まり、西山佑司教授の「統語論・意味論・コミュニケーション論」、そして昨日津留崎毅教授の「機能主義的言語研究」と続いております。どの先生方の授業も大変興味深く拝聴し、議論をいたしました。久しぶりに見る曖昧文やPROには、留学先でのSyntaxの授業を思い出しました。
 来週は櫻井隆教授による「言語接触」です。今から非常に楽しみです。

 【大塚孝一 M1】


最新の画像もっと見る

コメントを投稿