明海大学大学院応用言語学研究科

Meikai Graduate School of Applied Linguistics

「ことばへの気づき」ワークショップの参会記

2014年02月05日 | 学会、セミナー、講座の参会記

 2日土曜日、慶應義塾大学で行われた「ことばへの気付きワークショップ」に行ってきました。今回の主なテーマは英語・母語(国語)教育におけるメタ言語能力の役割でした。4人の院生の研究発表を中心にメタ言語の国語能力や英語能力に対する影響、学習の動機付けとの関係、教室向きの実践方略というようなテーマを巡ってディスカッションが繰り広げられました。

 メタ言語能力とは、ことばの仕組みと働きを理解した上で、意識的にことばを操作する能力のことです。文の容認性、曖昧性、同義性、文法関係の判断テストや語の形成のテストなどによって計られることが多いです。

 本ワークショップで発表なさった五十嵐さん並びに児玉さんのハンドアウトから一例を借ります。

 以下の例文で「」に同じ働きをする語を当てます。

              「静かな」日が続く。

              すずしい 風が 花の においを 軽やかに 運ぶ。(Kusube 1986)

 答えはもちろん 風が ですが…

 って、違いますか。(笑)すみません、話を戻しますと、こういう方法で本当にメタ言語能力を計れるかどうかもまた論争中とのことですが、従来の研究はこのような手段を利用してきたようです。

 中学校で英語の授業は全て英語でしなければならないという状況になろうとしている今では、母語のメタ言語能力の外国語への影響は中心的なテーマになってくると考えられます。それもあり、このワークショップには研究者だけではなく、現役の小・中・高校の教師も多く集まりました。お陰さまで問題の実貌に迫った話が聞けて大変勉強になったように感じています。

 最後ですが、このワークショップを企画してくださった大津由紀雄教授、発表者の方々を始め、集まって議論を展開させた研究者、先生方に深くお礼を申し上げます。もし機会があれば是非またよろしくお願いしたいと思っています。【Joe Tabolt M1】


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