昨日、山尾志桜里議員の議員パスの利用が公共性にかけ離れているとの話をした。あるいは税金を使う際は、必ず公共に適合している必要があるとも書いた。
そうすると僕の経験を思い出した。
大学生の頃であるから、30年以上経つ。当時付き合っていた彼女と旅行に行った。ホテルを発つ時、ホテル代は僕が払ったのだが、当時の彼女が「その領収書をちょうだい」と言うのである。
あまりに昔のことだから、記憶が曖昧なのだが、「研修で使ったことにするから、後でお金が戻るので」との趣旨だった。彼女は公務員であった。
そこで疑いもなく、若く無知な僕は彼女に領収書を渡した。ついでに「公務員にはそういう制度があるのか」程度に受け取り、なおかつ「後で僕にお金が帰ってくるってことだろう」とも思っていた。
当時の僕は学費も生活費も自分でバイトをしてやりくりしていた。彼女は公務員だから、僕よりもお金は持っている。結局僕に金は戻ってこなかった。この出費だって、大きかったに違いない。「違いない」と書いたのはあまりに昔のことだから。
今でもこのような制度があるのか、あるいは共済組合の福利厚生なのかはわからない。ただ、山尾議員と同様、この旅行は私的なものであることは間違いないので、公共のものではない。
彼女にお金が戻ったとするなら、特に公務員の補助制度であるとすれば、間違いなく公共性はないので、税金が間違った使い方をされたことになる。
当然彼女がこのようなサービスを受けたのは、公務員の先輩や同僚から情報があったからだろう。だから、多くの公務員が利用していたことになる。もう30年以上前ではあるが、公務員の公共に対する意識を表しているのではないだろうか。
そもそも言うまでもなく、自分が楽しむための旅行代金は自分たちだけで払うものである。
まあ今からすれば、笑い話なのだが、当時の彼女はお金が戻ってきた時、そのお金が誰からでているのか、想像しただろうか。もちろん税金である。さらに実際にホテルで支払ったのは僕だ。
先ほど記したことからも想像できるとは思うが、僕は貧乏学生だった。当時の彼女は、僕のそのような経済状況について、何も気にしていなかったことが思い出される。
僕のどうでもいい話でしかないのだけれど、僕に見る目がなかったということでしょう。