御巣鷹山に日航機が墜落したのは35年前の今日(8月12日)であった。航空史上最悪の事故であるし、真相は明らかになっていないという主張にも真実味がある。
当時大学生であった僕は、この事故の2日後、北海道に帰省するために全日空の飛行機に乗った。日航ではない。
それでも、飛行機の中には緊張感が走っていたことを今も思い出す。当時、飛行機の後方の方は生存率が高いとの報道があったため、「後ろの方でよかった」とつぶやく人がいたのを思い出す。
一番緊張感を醸し出していたのは、客室乗務員であった。当時はまだスチュワーデスと呼んでいた。今以上に女性に占められる職業であったが、彼女たちの顔から笑顔が消えていた。というより、皆強張っていたのが今でも印象として残っている。
北海道までは1時間30分に満たない。その短い時間、誰もが不安を抱えている感じがした。繰り返しであるが、その中でも一番不安を抱えていたのは客室乗務員であったように感じた。
千歳に到着。飛行機の中に広がる安堵感。飛行機が無事に到着するのは当たり前といえば、当たり前のことだが、この時は当たり前ではないかのような空気にあったのだ。
不安の感染。当時僕が経験した日航機墜落の意味はそういうことだった。
お亡くなりになった方々のご冥福を祈ります。