Drマサ非公認ブログ

自然から遠ざかる病4

 自然欠乏症候群の原因を整理しておこう。

 基本的には包括的全体論的な自然との関係性、自然との循環構造の欠如とみなすことができると思う。

 まず自然環境が不足していることが挙げられる。自身の生活を頭に浮かべてみれば、都市生活に緑が不足しているのは当然認めざるを得ないであろう。街中に街路樹が植えられているとしても、普段意識もしないのではないだろうか。道端に草花が生えていることを気にすることもないだろう。そこに川のせせらぎはあるだろうか。自然を実感し難いからこそ、レジャーで自然の中に入り込んで、触れ合いたいと思うわけです。わざわざ自然に触れ合うために能動的に行動しなければならなないわけですから、自然に取り囲まれていないのです。自然は自ら探さなければならいものになっています。

 都市が典型ですが、人工物で覆われています。そのおかげで、夏は涼しく、冬は暖かく、季節による温度の変化を気にする必要がありません。エアコンが効いていることが当然ですから。そのような部屋は自然素材ではなく、鉄筋やコンクリート、様々な合成樹脂などで囲まれています。そこには化学薬品を使用した塗料などが使われています。化学物質過敏症の問題があります。あなたの頭髪が滑らかなのは、化学物質のおかげかもしれません。確かに短期的に影響はないとされていますが、長期的、30年、50年だったらどうでしょう。誰も実証したことはありません(少し脅しているみたいになりましたので、そこは差し引いて受け止めてください)。

 化学物質の問題は、環境だけにとどまりません。化学物質を体内に取り入れていることは当然なのです。まず農薬。日本は農薬基準が甘いようです。ヨーロッパで禁止されているネオニコチノイド系の農薬を日本は使っています。そのせいでミツバチに影響があることもわかっています。人間が絶望しても、地球に影響もないでしょうが、ミツバチの絶滅は地球の自然環境を死滅に追いやる可能性があったと思います。

 また加工食品に多くの化学物質、保存料や着色料など化学的に合成された添加物が大量に含まれているので、人間の体に必ず入っています。インスタントラーメンだってそうですし。あるいは電化製品やスマホなどの電磁波が人間の身体に影響があるという話は、陰謀論めいたものも多いですが、これもまた自然環境にはありません。一応安全のための基準が設定されていています。実は電磁波が典型ですが、電磁波への不安に反応することで陰謀論が作られるという社会的問題だってあります。そんなことに取り憑かれると、「コロナは存在しない」という考えを生み出す構造と似ているのかもしれません。

 次に季節との関係性の問題が挙げられますが、それだけでなく地球の自然な流れを無視しながら生きるということもあります。先のエアコンによる温度や湿度による自然のそれらを感覚する経験の喪失です。どんな生物植物も昼と夜で活動を変えていますが、人間は電気が発達しているので、時間を気にすることもありません。夜中働く人の体調管理が難しいのはいうまでもありません。エアコンで快適温度を設定しますが、自然からみれば、不適切温度ですから、人間の身体は季節によって変化し適応する力を失うでしょう。

 人間は自然から遠ざかること、人為的世界に足場を移動し続けることを実践し続けてきたのでしょう。自然が足りないというのは、ですから近くに山や川、海がないということを超えていて、生活そのものの有りようを指摘しているのです。

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