Drマサ非公認ブログ

ナショナリズムに関して少しばかり5

 ナショナリズを作り出すために、過去の概念や物語を接合して、リアリティを補強する方法があります。イギリスの歴史学者で政治学者でもあったセトン・ワシントンは、その方法を発見します。公定ナショナリズムと言います。

 西欧列強で生じた近代化とナショナリズムを横で見ていた国々が、自分たちもナショナリズム、つまり「自分はこの国の一員である」との強い帰属意識を持ってもらわなければなりません。そうしないと、命をかけて国を守ろうとは考えないからです。そのような考えが植え付けられたのです。

 そこで公定ナショナリズムです。フランスのように自然発生的にナショナリズムが生まれていない国で、その国の権力者があえて意図的にナショナリズムを埋め込もうとします。その理由が、よく言われることですが、早く近代化しないと、欧米列強の植民地になってしまうとの怖れが挙げられます。日本こそ、それにいち早く動いたと言えるのでしょう。ロシアの方が早かったようにも思います。そしてドイツ。そこで近代化に遅れながらも、近代化するドイツを手本にすることに、日本の権力者たちは進みます。それが日本のモデルです。

 近代はmodern です。近代という時代はモデルを作り、そのモデルを理想像にして、模倣していくことです。近代の原理はモデルを建てることです。それが生活全般、企業や国家に組み込まれていることです。ですから、モデル=理想の追求に走ります。それが正しいとする思想態度になります。

 ですから、2つの思想が生まれます。理想を追求することを正しいとする思想。革新、リベラルです。理想を追求して暴走しないか心配する思想です。前者はナショナリズムを肯定します。後者はナショナリズムを心配します。行き過ぎたら、間違いを起こすに違いないと、伝統や慣習から考えます。こちらが保守です。

 ここで考えておきたいのは、近代化に遅れてきた当時のドイツを模倣したのが日本です。明治憲法がワイマール憲法を採用したことをあげるだけで十分でしょう。

 そこで話を飛ばさせてもらいます。近代化に遅れて無理して頑張ったドイツはヒトラーを生み出しました。日本も全体主義国家になったのです。日本のモデル=理想は、潜在的にドイツだったのですから、ドイツのような方向に向かうのは必然でしょう。

 ドイツは第二次世界大戦で負けました。人類史上最大の惨劇を起こしました。そこで敗戦後、兎にも角にも反省し、そのような惨劇を絶対起こさないために、国のあり方を変えました。

 当時のドイツをモデルにした日本もまた敗戦しました。さて、反省したのでしょうか。どこかに今でも旧ドイツのモデルを理想としている節はないのか、心配です。

 今自民党総裁候補の高市早苗の記事です。「高市早苗総務相がナチス賛美の「ヒトラー選挙戦略」に推薦文、ネオナチ団体代表との記念撮影は国際問題に」

https://buzzap.jp/news/20140910-takaichi-hitler-book/

 ドイツの反省の経験を取り入れているとは、どうして思えないのです。心配です。そういえば「電磁波で敵地無力化」とも言っていました。これ先制攻撃なの?勇ましいとか言ってる人を見ると、ホント心配だよ。

 どうも保守の意味が変わってしまっているのです。

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