日本のワクチン供給は失敗である。
安倍前首相は、勇ましく「早ければ年末には接種できるようになるかもしれない」と言い、「2021年前半までにワクチンを確保する」とも言っていた。
当然ワクチン開発能力のある国は、自国を優先する。ファイザーは米国、ビオンティックはドイツ、アストルゼネカはイギリスで、それぞれ国の主要大学がともに研究している。他に中国とロシアがワクチンを開発していることは、よく知られているだろう。
中国のシノファームは開発したワクチンを東南アジアやアフリカ諸国に供給する。確か無料提供であったはずだ。中国のワクチン外交だ。
中国のワクチンは信用できないなどと心配する声も聞くが、有効性はおおよそ80%、他のワクチンと比較しても、それほど副反応のリスクが高いわけではない。まあ、中国には文句を言いたい人がいるのは知っているが、自国産のワクチンを開発する国力があるわけだ。
さて我が国、日本はどうか?国内開発は今のところうまくいっていない。一応アンジェスやシオノギが開発に取り組んでいる。東大の研究者が協力しているという話はあるのだろうか。
日本人の体質として、ワクチンを忌避するという話も出ているが、このコロナ禍にあって、国が総力あげて、開発に力を入れなかったことが問題ではないかと考えられる。国が総力をあげるとなれば、企業と大学は当然協力するはずだ。
前回のブログで、僕自身は「ワクチンを打たないことにした」と明言しているので、個人的にはワクチンについて気になる必要もない。しかしながら、国力という視点を導入すると、米英独露中と比較して、日本は明らかに劣っていることになる。なんせワクチンを開発できなかったのだから。そういう科学技術は劣っているわけだ。
安倍前首相の言葉は勇ましかったが、やっぱり本当ではなかった。実態が伴っていなかったのである。本当は開発する力があったかもしれない。ただ政府がワクチン開発に力を入れなかったことは事実だろう。なんせ予算も出さなかったわけだから。そして、金を出してワクチンを外国から買えばいいとしていたことになる。
現在ワクチン供給のスケジュールは遅れ続けている。
他国より国力が劣っている理由は、国民のために国家があるとなっていないからだろうかと、頭をよぎってしまった。