先日10数年ぶり訪れました。おそらく70歳を超したであろう親父さん。所作は緩慢になっているが、老境に入った剣の達人のごとく、ゆったりと間合いを測るように一分の隙もなく料理を作り上げる。
一方、気迫みなぎる厨房を囲む土俵桟敷のようなカウンターには、立ち会いまでの緊張感と空腹が作る原初的期待感でできた奇妙な連帯感で包まれている
もちろん、お品書きの一番下の「タンメンやではありません 750円」を注文、すかさず「うちはタンメンやじゃねぇからな!」少し声は小さく、くぐもっているが、威圧感は健在だ、奥さんの受け答えも、まだまだ、しゃきしゃきしている。
おー来たー!あの超ボリュームの野菜群と超極太のあの麺!!
はふはふ、ずず、ずいっと一心不乱にかっ込む、爬虫類脳とも言われる脳幹がフル回転し、親父さんの神技を心ゆくまで堪能する。何とも至福の時が流れる
ふとみると、食べ終えた強面の金髪のお兄さんが襟を正して慎ましくお勘定をしている。礼儀作法を学ぶところでもあるここには、陸奥国塙の名代官 寺西重次郎封元「寺西八ヵ条」が生きている!どこかしら、あの山本権八・佐久夫婦がオーバーラップする。
どうぞ末永く名人芸と逸品を披露してくださいまし・・。
※通の方によると、かまど炊きご飯がてんこ盛り「焼き肉定食」がお薦めだそうです。なお、子どもは来店お断りで、土日祝日と水曜日休業です。材料がなくなると店じまいしますので注意。この時も食べ終えたのが13時前でしたが、出ようとして戸が開かずあせってしまいました・・・勝手口から退出するのでした (^^;
**後日談**
>幕引きも威風堂々なり。天領の郷塙町「竹一食堂」
リンクしてませんでしたが、私もそろそろ行っておかなくては・・と訪れたところ、すでに閉店となっておりました。名物店が消えてしまい本当に残念です。
http://blog.goo.ne.jp/mfc_fukushima/e/88619a2e5dd0884c4171f87dc5f51713
でも消息筋によると、息子さんが一時店を手伝っていたが、意固地な親爺さんと合わなくて、今は別のところで店を構えているとか・・・。これを機に戻ってきて、名代「竹一食堂」を継いでほしいですね。