ちいさいやつら

わが家のセキセイインコとアキクサインコのお話

獣医の話シリーズ~目次~

2010-02-06 23:00:00 | 獣医の話
獣医の話シリーズ、
全8回のラインアップは以下の通りです。

1.体重のコントロール
  ・副食について
  ・栄養剤について
  ・ダイエットの方法

2.カナリーシード考
  ・ヒエ増量のカナリーシードを抜きは、低蛋白になるか
  ・カナリーシードは発情を誘発するか

3.脂肪分について
  ・オメガ3とオメガ6

4.発情の条件
  ・発情の4条件
  ・日照時間のコントロールで発情を抑制できるか

5.鳥の管理方法
  ・三本柱

6.シードは洗うべきか
  ・無農薬のシードについて
  ・異物混入について

7.鳥は病気を隠さない
  ・シグナルの読み方

8.自分の感覚を大切に


お断り

かかりつけの先生は鳥専門の獣医師ですが、
鳥専門といえど、考え方が違う先生も他にいらっしゃいます。
これが正解で、あとは間違いということではありません。
また、文字にした瞬間から情報は古くなりますし、
中には間違いがあるかもしれませんので、
ご参考程度に留めておいてくだされば幸いです。

なお、これによって、
皆さんの飼育方法を否定するものではありません。

獣医の話

2008-08-03 23:41:05 | 獣医の話
この前、クリニック(鳥専門)に行った時に
色々質問したことを載せておきます。

獣医の言うことが全てではないでしょうし、
さまざまなご意見もあることと思いますが、
もしも、何かのお役に立てるなら幸いです。

長いので、
ご興味のない方はスルーしてくださいね。



 Q:
シュウ酸が多い野菜以外で食べさせてはいけないものは?

 A:
アボカドはもちろんのこと、
モロヘイヤ、オクラ、里芋など、
ねばりのあるものはよくない。

ねばりが器官に詰まって死んでしまう子が
何百羽に一羽かもしれないけど、現実にいる。
事故が起こる可能性があるのなら、
やらないに超したことはないだろう。



 Q:
サラダほうれん草はやっても平気?

 A:
平気。

シュウ酸の多い、茎の赤いほうれん草だって、
冷蔵庫の中にそれしかなければ
別に単発で食べさせても別にどうってことはない。
死ぬわけではない。

ただ、シュウ酸の多い野菜を
毎日食べさせ続けるのはよくないという話。
他にも適した野菜があるのだから、
わざわざカルシウムを阻害するものをやらなくてもいいだろう。



 Q:
ネクトンはどうか?

 A:
野菜やフルーツをしっかり食べる子なら必要ない。
ビタミンやサプリメントは、
飲んだ分だけ全て吸収されてしまうので
過剰症になることがある。
自然な食材に比べてリスクが高い。
過剰症の問題はとても重篤なのにも関わらず、
本でも何でも、欠乏症の話ばかり。

やっかいなことに、
過剰症と欠乏症は、似たような症状が出る。
欠乏症は欠乏しているのだから与えれば治るけど、
過剰症はそうはいかない。
蓄積しておかしくなっているのに
それを取り除くことができない。
D3過剰症は死ぬし、EやAの過剰症も神経症状が出る。

老鳥のように、今更食生活の改善が出来なかったり、
やろうとすればただストレスを与えるだけ、
平均寿命を生きて余命数年、
ここまできたならストレスを与えるよりかは
ネクトンの方がいいという場合に処方する。
ネクトンはビタミン剤の中ではバランスがいい。



 Q:
塩土については?

 A:
塩土は絶対食べさせないで。

ミネラル摂取のために塩土が必要だという話の元になったのは、
ペルーのインコたちが、岸壁の土を食べに来るという現状を見て。

しかし、ペルーのインコたちは
ミネラル摂取の為に土を食べているのではなく、
解毒のために食べている。

アマゾンには乾季と雨季があり、
乾季には中毒を起こしやすいナッツ類しかなく、
それらを食べるインコたちは解毒の為に
カオリンを含む土を食べている。

逆に雨季にはフルーツがあるので
ナッツを食べる必要が無く、
従って解毒する必要もなく、土を食べることもない。

だから日本で飼う場合は塩土は全く必要ない。



 Q:
環境ストレスはいつから?

 A:
生後半年以内は発情しないので
環境ストレスは与えなくていい。

半年間は学習期間で、
生きていく上でのノウハウを吸収しているのだが
その時期に環境ストレスを与えると、
簡単に全部克服してしまう。

そうすると、
発情を抑制したり、肥満を防止したいときに
環境ストレスを与えたいのに
持ち駒がなくて困ることになる。
困るのは鳥ではなく飼主の方。

半年過ぎて性成熟したら、一生環境ストレスを与える。
(繁殖を希望しない場合)



 Q:
餌の好き嫌いがあるのだが

 A:
種餌(たねえさ)を平均的に食べさせたい場合は、
食べるまで待つのではなくて、殻を吹かないこと。
下のものが食べにくいなら、
食べにくいなりに食べさせると選り好みが出来なくなる。
目視して選んで食べることが出来なくなる。

ただ定期的に殻を吹くのを忘れないこと。



 Q:
肥満にさせないためには

 A:
まず、鳥はドカ食いの習性があるので、
餌の量を限定して、食べきったら新しい餌を入れる、
ということをやっていくと、
どんどん食べきっていくので肥満になっていく。

野鳥は常に緊張状態にある。
餌場でも、まず避難場所を確認してから食べに行く。
そしてがーっと食べては避難、またがーっと食べては避難する。
飛ぶ量が多いのでドカ食いしてもチャラ。

反面、飼い鳥は飛ぶ量が圧倒的に少ないので
ドカ食いの習性が出てしまったら肥満になる。

それを防ぐには 「いつでも餌あります」 状態で安心感を与える。
それには底が深くて間口が狭いものより、
底が浅くて間口が広い餌入れがいいだろう。

あと重要なのは、
いつでも食べられるけど暇だから食べるか、
というのをやらせないために
適度な緊張感(環境ストレス)を与えること。



 Q:
体重コントロールはどうやって?

 A:
体重のコントロールはおやつやフルーツで出来る。
痩せてるときは、甘い葡萄やバナナなどで太ることが出来る。
太っている時は、野菜を多めに食べさせればいい。

これらはレパートリーを広く持っているからこそ出来るので、
離乳食時代(生後半年くらいまで)に、
色んな味を覚えさせることをしっかりやらないと
好き嫌いの多い鳥になってしまって、
コントロールもやりにくくなる。
だからこの期間は飼主も頑張ること。






綾子:ママ、なんかお話がお説教臭いピヨ?
そ、そだね、、、ごめんね


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