怒りん坊将軍を喜ばせた帽子と手袋

万年坊やのＣちゃんは毎日何回となく“怒りん坊将軍”にも変身する。
何を怒っているのか自分でもわかっていないんじゃないかと思える時がしばしばある。
今日も朝から何度か爆発して、仲間達から「うるさい！」と怒鳴られ、ケンカ沙汰になっていた。
それが昼前になって静かになったから、どなたかがなだめてくれたのかなと思っていた。
食堂へ行くと毛糸の帽子をかぶり手袋をはめた、嬉しそうな顔のＣちゃんがいたから、そばに寄って行き、「帽子と手袋ええね。どこで買うたん？」と声をかけた。
「姉ちゃん送ってくれたんや」と言う。
テーブルにはクリスマスカードもある。
帽子と手袋はお姉さんからのクリスマスプレゼントだったのだ。
その後Ｃちゃんは夜まで帽子と手袋を身につけ、スタッフ達の名前読んで、みんなに見てもらっていた。
よほど嬉しかったのね。
私にもおぼえがある。
小さい頃母子入園していた所へ、父から小包がの届いた時のあの喜び･･･。
後で聞いた話だが、他の人達の所には家族や親戚から色んな差し入れが届くのに、私の所には何も届かないので、私が寂しがっているから、何か送ってやってほしいと母から父に頼んでくれたという小包だったのだ。
中身が何だったのか肝心なことはおぼえていないのだが･･･。
とにかく父と母のコンビワークの贈り物で私を喜ばせてくれたのだ。
今日のＣちゃんの帽子と手袋はそんなものではないが･･･。