春のそよ風夏の雨

嬉しいひととき。好きなこといろいろ書いています。

長月天音「神楽坂スパイス・ボックス」

2024年12月22日 | 
長月天音「神楽坂スパイス・ボックス」

書店で見かけて、神楽坂が気になって読んでみました。
神楽坂は少し縁がある土地なのです。

出版社に勤めて、飲食店雑誌の編集をしていたみのりは5年間付き合っていた恋人に振られて、
イタリア料理のシェフをしている元恋人を見返してやろうと姉と一緒にお店を開いた。

数年前までイタリア料理のシェフをしていたが、訳があって実家に引きこもっていた姉が
選んだのはスパイス料理のお店。

インド料理、モロッコのタジン料理、シナモンクッキーなどなど。
世界各地のスパイスを使った料理が出てきます。
そして、客は、スパイスで体が温まったり、胃腸の調子が良くなったりもして、体と心が少し
元気になって、一歩進める。

そんな短編集です。
スパイスのお話も面白いし、明るい雰囲気の短編集なので楽しかったです。
続編もあるようなので読むつもりです。
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ダーチャ・マライーニ「わたしの人生」

2024年12月22日 | 
ダーチャ・マライーニ「わたしの人生」

著者はイタリア人。ご自身の子供の頃の体験を描いた作品です。

戦前、父親の仕事で日本に来て幸せに過ごしていた。
しかし、戦時中に両親がムッソリーニの新政権に忠誠を誓うことを拒否した
ために、収容所に入れられた。

日独伊三国同盟下で、このような収容所が日本にあったのだということを
初めて知りました。

食料を横取りし残虐な扱いをする警察官
飢えてシラミにたかられる生活
そんな中で食料をそっと渡してくれる日本人

残虐さも、寄り添う心も描かれています。
こんな目にあったら日本を嫌いになりそう・・・と思う状況にも関わらず、
日本を大事な国の一つと考えていらっしゃるようです。

ダーチャ・マライーニさんのインタビューを見つけました。
NHKの番組にも出られたようですね。

このインタビューをもっと膨らませた作品です。

世界に戦争がある限り、状況は少し違っても過去のものではない。
だからこそ、血の滲む思いで作者は伝えてくれているのですね。
しっかり受け止めたいと思いました。


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