<岡研究室 ゼミ紹介>
毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをzoomで行っています。本日,水曜日ですがゼミを行い,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!
<文献>
Magadi, W., Lightfoot, C. J., Memory, K. E., Santhakumaran, S., van der Veer, S. N., Thomas, N., Gair, R., & Smith, A. C. (2022). Patient activation and its association with symptom burden and quality of life across the spectrum of chronic kidney disease stages in England. BMC Nephrology, 23(1), 45. https://doi.org/10.1186/s12882-022-02679-w
- タイトル
Patient activation and its association with symptom burden and quality of life across the spectrum of chronic kidney disease stages in England
英国における慢性腎臓病のステージに応じた患者の活性化とその症状負担およびQOLとの関連性
- JIF(2021):585
<概要>
背景:自分の健康を管理するための知識、スキル、自信は、患者の活性化(patient activation)と呼ばれ、Patient Activation Measure(PAM)を用いて評価することができる。この指標は、慢性腎臓病(CKD)での使用が推奨されつつあるが、このような集団における患者の活性化をよりよく理解する必要がある。本研究では、CKD患者にとって重要な患者活性化とアウトカムとの関係を理解するために、患者報告アウトカムである症状負担および健康関連QOL(HRQoL)とPAMの関連性を検討することを目的とした。
方法:イングランドの14の腎臓病棟の非透析患者、透析患者、腎移植患者が患者の活性化、症状負担、HRQoLを評価する質問票を含む調査に参加した。潜在クラス分析(LCA)を用いて、データ中のHRQoLと症状負担のサブグループを決定した。多項ロジスティック回帰分析を行い、年齢、性別、民族性、貧困、治療方法を調整した上で、患者の活性化、症状負担とHRQoLクラスとの関連性を個別に検討した。
結果:3,013人(平均年齢61.5歳、男性61.8%、血液透析47%)が解析に含まれた。患者の活性化は、HRQoLおよび症状負担のクラスと強く関連し、高度に活性化された患者は、より高いHRQoL(P=<0.0001; OR 29.2, 95% CI 19.5-43.9) とより少ない症状(P=<0.0001; OR 25.9, 95% CI 16.8-40.2) を報告しやすいことが示された。
結論:活性化レベルの低下は、CKDの病期や治療方法の軌跡に渡り、より高い症状負担とHRQoLの低下と関連している。従って、活性化を改善することに焦点を当てた的を絞った総合的なセルフマネジメント支援は、腎臓病患者にとって重要な健康体験のスペクトルを改善する可能性があると考えられる。 (担当:榊)