群馬大学 慢性看護学研究室ブログ

患者様や未病の方が、自分らしく生活できるよう研究・探求しています。糖尿病と慢性腎臓病透析予防外来も開設しています。

ゼミ文献紹介

2024-11-05 11:43:02 | 研究室
<岡研究室 ゼミ紹介>

 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをオンラインで行っています。今回は,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Burdeu, G., Rasmussen, B., Lowe, G., & Considine, J. (2024). Acute care nurses'
decisions to recognise and respond to patient improvement: A qualitative study.
Journal of Clinical Nursing, 33(11), 4445-4454. https://doi.org/10.1111/jocn.17400
2023 journal Impact factor: 3.2

Abstract
目的:急性期看護師が患者の臨床状態の改善を認識し、それに対応するための意思決定を現実の臨床環境においてどのように行っているかを調査し、記述する。
デザイン:記述的研究。
方法:オーストラリアの大規模病院の内科看護師9名と外科看護師11名を対象に、看護師と患者の相互作用の様子を個別に観察し、観察された意思決定の背景にある理由と臨床的判断について面接で追跡調査した。観察およびインタビューは口頭で記録し、書き起こした。データの分析には、再帰的テーマ分析を用いた。
結果:データから構築された3つのテーマは以下の通りであった:
看護師のチェックイン(nurses checking in)、看護師の改善に関する判断(nurses reaching judgements about improvements)、看護師の最適な対応者の決定(nurses deciding on the best person to respond)。急性期看護師は、臨床状態の改善に関連する安全リスクの予測に基づいて標的としたアセスメントの意思決定を行っていた。患者の改善を評価し判断するために、主観的および客観的な手がかりが用いられた。急性期看護師における患者の安全に対する判断および患者中心のケアを推進したいという願望が、改善を管理する適切な対象者を選択する意思決定を導いていた。
結論:この研究の結果は、急性期ケア看護師が病状の悪化に応じた意思決定を行うことで得られる実証済みの安全上の利点が、患者の臨床状態の改善にも及ぶことを実証した。改善に向けた対応において、急性期看護師の意思決定は患者を危害から守り、回復を促進する。
患者ケアへのインパクト:早期発見と改善に向けた対応によって、急性期看護師は患者を不必要な治療のリスクから守り、回復を促進することができる。
インパクト:本研究は、患者の臨床状態の改善を認識し、それに対応するという看護師の安全上不可欠な役割を明確にした。医療政策と教育は、患者を確実に保護し、安全なケアを提供するために、悪化と改善のアセスメントと管理が等しく重要であることを反映させなければならない。
  (担当 榊)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゼミ文献紹介

2024-10-29 11:36:42 | 研究室
<岡研究室 ゼミ紹介>

 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをオンラインで行っています。今回は,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Albreiki S, Alqaryuti A, Alameri T, Aljneibi A, Simsekler MCE, Anwar S, Lentine KL.

A Systematic Literature Review of Safety Culture in Hemodialysis Settings. 
J Multidiscip Healthc. 2023 Apr 11;16:1011-1022. 
doi: 10.2147/JMDH.S407409. PMID: 37069892; PMCID: PMC10105578.
 
血液透析施設における安全文化に関する系統的文献レビュー
 
血液透析施設における医療安全対策をシステマティックレビューにてまとめた。用いたデータベースはMedline(PubMed経由)とScopusであった。6カ国の合計17の論文が同定され、35項目抽出された。そして抽出された35項目を次の5つに分類した。(i)血液透析治療に使用される技術に関する看護師のトレーニング、(ii)感染予防のための積極的なリスク識別ツール、(iii)エラーの評価における根本原因分析、(iv)有害事象を減らすために透析看護師が使用する血液透析チェックリスト、(v)非責任環境を支援し、安全文化を改善するための従業員と指導者の効果的なコミュニケーションと相互信頼が挙げられた。
  (担当 白土)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゼミ文献 医療移行期における薬剤の変更に関する意思決定: 患者と家族の関与を深める機会

2024-10-08 22:39:19 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをオンラインで行っています。今回は,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Manias E, Hughes C, Woodward-Kron R, Ozavci G, Jorm C, Bucknall T. Decision-making about changing medications across transitions of care: Opportunities for enhanced patient and family engagement. Res Social Adm Pharm. 2024 May;20(5):520-530. doi: 10.1016/j.sapharm.2024.02.002. Epub 2024 Feb 16. PMID: 38403571.

2023 JIF: 3.7

医療移行期における薬剤の変更に関する意思決定: 患者と家族の関与を深める機会

背景:高齢患者はしばしば複雑な投薬レジメンを有し、それらはケアの移行に伴って変化する。安全かつ質の高い服薬管理を行うためには、高齢患者と家族がケアの移行期における服薬の意思決定に関与することが重要である。

目的:ケアの移行に伴う薬剤の変更について、医療従事者、高齢患者、家族の意思決定を調査し、これらの薬剤の変更に関する意思決定のプロセスにおいて患者や家族の関与がどのように行われるかを検討する。

方法:半構造化面接、観察、内省的フォーカスグループや面接など、焦点を絞ったエスノグラフィックデザインを実施した。書き起こしたデータについて再帰的テーマ分析を行った。研究はオーストラリアの公立急性期病院と公立地域病院で行われた。

結果: 高齢患者182人、家族44人、医療専門家94人が関与した。データから4つの テーマが概念化された:習慣(customs)とルーチン(routines)の違い、薬物療法の課題、医療専門家の相互作用、患者と家族の関与。環境には習慣やルーチンの違いがあり、それが服薬の遅れや意図しない薬の代替の可能性を高めていた。服薬の課題としては、医療従事者が患者や家族にとって定期的に処方される薬についての情報は必要ないと思い込んでいることが挙げられた。患者や家族は、医療専門家がすでにこれらの薬の処方を意思決定した後に、新しい薬について知らされた。医療従事者は専門分野毎に縦割りで働く傾向があり、患者や家族と関わる際の自分の役割について複数の見解を持っていた。患者と家族は、薬剤の変更に関する意思決定に率先して参加することが期待されていた。

結論:ケアの移行に伴う患者の移動は、特に高齢患者とその家族にとって透明性に欠ける複雑で混沌とした服薬管理状況を生み出す可能性がある。薬剤の変更について先手を打って計画的に話し合うことに重点を置くことは、意思決定への患者や家族の関与を改善することに貢献するであろう。

                                  (担当:榊)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

北関東医学会での発表

2024-09-26 23:17:39 | 研究室

9月19日(木)に開催された北関東医学会総会で、岡研究室の卒業生の皆さんが発表いたしました!

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第18回日本慢性看護学会学術集会 優秀演題賞受賞

2024-08-14 18:25:26 | 研究室
岡研究室の博士前期課程修了生 猪熊 綾子さんが、第18回日本慢性看護学会学術集会優秀演題賞を受賞しました!
2024年8月11日(日)に優秀演題セッションで発表いたしました!
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする