あたしの彼は宇宙人(うちゅうじん)だったのよ。彼との出会(であ)いは…アブダクション。初めて彼を見たとき、不思議(ふしぎ)と怖(こわ)くはなかったわ。だって、彼…とっても優(やさ)しそうな目をしてたから。彼は移住(いじゅう)する星(ほし)を探(さが)して、宇宙を旅(たび)してるんだって。地球(ちきゅう)を見つけたとき、とっても美(うつく)しくて感動(かんどう)したって言ってたわ。
彼とのデートは、いつも彼の宇宙船(うちゅうせん)だった。太陽系(たいようけい)のクルーズはとっても楽しかったわよ。たくさんの絶景(ぜっけい)を見ることができた。彼の宇宙船には特別(とくべつ)な装置(そうち)がついていて、地球の人たちには見つからないようにしてるんだって。
ときどきは地上(ちじょう)でデートをしたいけど、彼は三分もいられないのよ。だから、ゆっくり散歩(さんぽ)を楽(たの)しんだり、おしゃべりしたりなんて、とてもできない。
彼との結婚(けっこん)も考えてみたけど、やっぱりあたしは地球で暮(く)らしたい。だから、彼とはお別れしたの。だって、彼の星はとっても寒(さむ)くて、地下(ちか)で暮らしてるんだって。あたしは青い空が大好きだから、それを見ることができないなんて…。
お別れのとき彼は言ったわ。「この星を造(つく)り替(か)えることはできるけど、そんなことをしたら君(きみ)たち生物(せいぶつ)が生きられなくなってしまう。君を失(うしな)うなんて、僕(ぼく)にはとても耐(た)えられないんだ。だから、安心(あんしん)していいよ。この星のことは不適合(ふてきごう)だって報告(ほうこく)しておくからね。もう誰(だれ)もこの星を脅(おびや)かすことはないはずだ」
<つぶやき>今回は回避(かいひ)したけど…。いつまた狙(ねら)われるか分かりませんよ。どうしましょ?
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