ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

劇団大樹「ひめごと」

2008-12-18 | Weblog
東京の劇団大樹で上演された「ひめごと」を観て来た。私の書いたこの作品は、過去、大阪と神戸の劇団が上演してくれている。自分の所属するりゃんめんにゅーろんでも上演した。りゃんめんにおいては、最低の観客動員数だった。大樹の川野さんが、スタジオ公演から飛び出してのはじめての劇場公演に、この作品を選んでくださった時、私が一番心配したのは、そんなにお客さんを呼べるのだろうかということだった。登場人物は5人だけ。会話主体の派手さのない舞台。でも、その心配をみごとに裏切って、「ひめごと」は連日満席の公演になった。
華道家・横井紅炎さんのみごとな装置(あの柿の木は、母と娘が呪縛のように絡み合っているように見えた)、荒井美帆さんの25絃筝の生演奏(想像していたお稽古事のお琴のイメージとは全然違う、芸術としての筝の演奏!)、山口あきらさんの的確な演出、そして川野さんはじめ出演した皆さんのすばらしい演技、すべてが私の作品への愛であり、挑戦であるということが、ものすごく伝わってくる舞台だった。場面場面で、何度もこみ上げてくるものがあった。こんなに作品を大切に扱われて、感動しない作者がいるだろうか。
参加させてもらった打ち上げの席も、とても楽しかった。狂言師であり、重要無形文化財(!)であるという善竹十郎氏とも仲良く話をさせてもらった。なんて天真爛漫でチャーミングな方だろう。狂言や能の世界にも興味を持ってしまった。
来年は「森陰アパートメント」を上演してくださるという。「森陰アパートメント」にも、象徴的な存在として木が出てくる。どんな装置になるのか、どんな出演者になるのか、もう今から楽しみになっている。

川野さん、私のほうこそ、素敵な出会いをありがとうございます!
来年もまた大変な一年になりそうですね(^^♪。




いよいよです

2008-12-06 | Weblog
東京の劇団大樹さんの「ひめごと」の公演がせまってきた。
私は書くこと以外では無知なので、上演に関しては、どこの劇団でする時にもほとんど口を出さない。所属するりゃんめんにゅーろんでやる時さえ、演出や役者がこうしたいと言えばあまり考えずに同意する。
劇団大樹の川野さんは、作中のたった一言を書き換える時にも、相談をしてくれる。というか、基本一言も書き換えない。川野さんは、作品を、もしかしたら私が愛するよりも愛してくれているのかもしれないと思う。私が作品の生みの親だとしたら、舞台を創る側は育ての親だ。生みっぱなしの私より、手をかけて育ててくれている親の愛のほうが強いのだ。川野さんがほぼ毎日更新されている稽古日誌(ブログ)を読んで、私はいつも私の作品にちょっとうしろめたい思いを感じてしまう。
たとえは4日の川野さんの稽古日誌にあった白いワンピースのこと。以前りゃんめんで「ひめごと」をやった時、役者が古着屋でぶかぶかの緑色だかのワンピースを買ってきた。私はそのために台詞を書き換えた。別に不都合はないだろうと思った。白いとか身体にぴったりとかの台詞をカットすればすむのだ。でも、川野さんのブログを読んで、自分があの時、作品に対して愛がなかったことを悔いた。「ひめごと」を書いていた時、私は白いワンピースにこだわっていたことを思い出した。書き換えた私は、書いた時の自分にも不誠実だった。

遠方で私の作品が上演される場合、たいてい観に行くことはできないのだけど、大樹さんだけは、行かずにいられない。今年も観せてもらうのを、とても楽しみにしている。
公演は12/10(水)~14(日)。東京・西武池袋線 東長崎駅 てあとるらぽうで。詳しくは大樹HP。東京方面の方は、ぜひごらんください!