ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

重ねる

2006-11-14 | Weblog
最近あまり季節感のある服を着ない。寒くなると夏に来たワンピースを二枚重ねたり、その下にセーターを重ねたり、上からスカーフを重ねたりする。レース糸で編んだスカーフを夏も冬も身につけている。
好きなものは年中身につけていたい。ウールやファーのものは夏には着られないが、シフォンやレースの服は冬でも着ている。
着物に興味を持つようになって、といっても、自分で着ることはほとんどないが、
着物姿には重ねの美しさがあることを知った。襦袢、襟、着物、帯、帯揚げ、帯締め、羽織、羽織紐。それらの模様・色合い・質感が少づつ重なって出来上がっていく。柄と柄をあわせる楽しさ。思いがけない色の取り合わせ。着物にはいろんな決まりごとがあるようだが、骨董市などに行くと、そういうことはあまり気にしないで、自分の感覚を大事にして楽しんで着ている人たちに出会う。喪の黒の帯を、華やかな着物の引き締め役として使っていたり、細い帯を二本重ねて巻いていたり。いいなと思う。
書くものでも同じだと思う。決まりごとはあまり気にしないで好きなものを書く。自分のことばの感覚を信じる。書くことを楽しみたいなと思う。
写真では、綿ローンの紺色のワンピースの下にカーキ色のタートルを重ねて、首に赤い石のネックレスとシルクのスカーフを絡めて巻いている。その上からかぎ針編みの手編みのスカーフ。まあ、かなりごちゃごちゃしているような気もする。


いつも見てしまう

2006-11-04 | Weblog
NHKの「ゆるナビ」。なぜか夜中の再放送ばかりいつも見ている。昨夜のナビゲーターは渡辺真理奈で、岩手にあるホームスパンの手織工房を訪ねていた。
布を織るとか糸を紡ぐとかといった作業に、ずっと憧れている。そういう職業につきたかったなあと、よく思う。もくもくとはたおりをする。少しづつ、形が出来上がってくる。一本の糸と糸が交じり合っって、形のある布が作られる。不器用で大雑把なたちなので、現実には簡単な編み物ですら途中で挫折してしまうのだけれど。
番組にはいろんなコーナーがあって、「年季物でいこう」では、代々受け継がれているものや大切にされているものが紹介される。お漬物作りだったり、古いかばんだったり、道具だったり。「しばわんこの和のこころ」では、かっぽう着を着たしばわんこが縁側で迎えてくれる。お月見だんごの作り方やお茶の入れ方お箸の持ち方、日本の風習なんかを、しばわんことみけにゃんこが人間のおばあちゃんから教わっている。
ほかにも、亡くなった人の、在りし日の光景だとか、こだわって作り続けていたり愛し続けていたりするものの紹介だとか、時間に追われない生き方をしている人たちや農家の人たちの一日だとか。
ゆるゆると生きている人たちを紹介する。あるいはゆるゆると生きていくことのすすめ。ゆるゆるしているつもりでも、なかなかできない毎日。ゆるゆるしたいなあと、思う。だらだらではなくて、ね。