ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

ワークショップを終えて

2011-07-28 | Weblog
先日26日に行われたワークショップ。
シンプルに、ただ作品を読んで、聞きあうという企画に、参加してくださった方、14名。
この日、テキストに選んだのは、KISS・FM「STORY FOR TWO」で放送された「クロコダイル・ダンディ」という二人ドラマだ。
はじめにそれぞれ黙読で読んでもらい、作品内容を把握してもらったあと、全員で声に出して読んでもらう。そして、仕上げは男女ペアになってみんなの前で披露するという形ですすめていった。

男性が多かったので、急きょ、私とコーディネーターのももちゃんが女性陣に加わり、アミダで8組のカップルが誕生。
「クロコダイル・ダンディ」は、人間の女の子と、写真集から抜け出てきたワニの男の子の、ほのぼのとした友情というか、愛のお話。原稿用紙にして4枚ほどの、ショートストーリーだ。

人前で読むなんて初めて、なんて人も、自分なりのキャラクターを作ってくれて、もうみんな度胸があるなあと、感心。
私なんて、ほんの3,4年前は、人前で話すなんて、考えられない人生だったのだ。

途中から、この日のために書き下ろしたクロコダイルダンディ女性版「レディ・クロコダイル」にテキストを変える。男と女を反対のキャラクターに設定した、オリジナル版だ。登場人物が反対の設定になると物語はどうなるんだろう、なんてことも考えながら読んでもらう。

私個人の感想はひかえ、それぞれが初めての相手役と、読んで聞いて楽しんでもらうワークショップ。
帰りはみんなで居酒屋さんで盛り上がったりして、なかなか楽しかったんじゃないかなと、思います。

写真、撮るの忘れたので、代わりにまた「モクレンの探偵」の舞台写真(撮影:垣内洋介)。
手前向かって左、コータ役のみーちゃんは、ワークショップにも参加してくれました。みーちゃんがバックに音楽を流してくれたんで、参加者の皆さんの気分も盛り上がったことでしょう。ありがとう!









「モクレンの探偵」公演を終えて

2011-07-22 | Weblog
長い準備と稽古を経て公演に至った「モクレンの探偵」。
ダンスでの表現を考えて、言葉をどこまでそぎ落とすか。「はな」が語りで綴っていく世界と、並行して「蓮次」がたどって行く世界、最後にひとつになる瞬間を、どういう風に繋いでいくか。結末を考えないまま、70%くらいの出来の状態で稽古に入り、あとは実際に稽古場で、演出の意見を加えて作っていった。

舞台が盛り上がる場面は、ほぼ演出の意見が反映されている。
物語を舞台で見せることと、物語を書くことの間のへだたりを、あらためて知った。

さて、私が「はな」に憑依していたかといえば、していたと思う。
紗幕の奥で、私は蓮次を、コータを、さとを、亀吉を、遊園地のおじさんを、みどりのおばさんを、目で追い、その人たちと認識し、心を動かしていた。
悩み、苦しみ、そして再生した「はな」の時間。
やはり、書いているだけではわからない時間だった。

これきりになるだろうと一瞬一瞬を惜しみ楽しんだ、
み群杏子×ヤザキタケシの企画。
意に反して、ふつふつと次の物語の構想が浮かんしまう。
またいつかが、なんだかありそうな気配もしている。


素敵な共演者、たよりになるスタッフ、たくさんのお客さんに恵まれて、幸せな幸せな公演でした!
では、またいつか、お目にかかれる日まで、さ・よ・う・な・ら・・・




モクレンの探偵、公演まであと一週間。

2011-07-10 | Weblog
いよいよ、本番になる。
書かれた作品は、多くの人の手を経て、舞台作品に変わる。
私は約20年間(まあ、一年か二年に一本の、スローペースではあったけど)戯曲を書いてきた。でも、舞台作品を作る現場に一部始終かかわったことは、今回がはじめてのような気がする。
演出、音響、照明、舞監、宣伝、美術、制作などの舞台に関係する仕事とそれぞれ役割を担う人たち。今までは傍観者的に見ていたそれぞれの専門家の人たちと、自分が実際に関わる存在として対することで、「ふーん、こういうことをしてくれていたのか」と、やっと認識できたという感じなのだ。なんだか、本当に素人の感想のようだけど。

今回、私は役者という形で、舞台に立つことになった。
最初は星みずくでやってきたような朗読者としての参加、そういう形が不可能なら、声だけでも参加したいという気持ちで、第一稿を書いた。
ところが稽古がはじまり、話し合いをし、書き直しをし、いつのまにか、朗読ではなく、芝居をすることになってしまった。
「こんなセリフ、私、言えるのか...」と、思いつつ、それでもなんとかなるだろうと書いた第二稿。
さらに、演出がどんどん動きを加え、言葉を加え、「そんなこと、私、出来るのか...」ということになってしまった最終稿。

笠智衆が言っていた。
「わたしの演技はだめです。全然へたです。わたしは、小津先生に教えられたとおりに
しゃべっていただけです。セリフの上げ下げまで、口移しで教えられました。...」
笠智衆は、自分をゼロにして、小津監督が教えるとおりにしていたという。自分を表現することが役者だと思っている人には、絶対にできないことだろう。でも、笠智衆は、自分をゼロにしたからこそ、小津の作品世界に入っていくことができたのだろう。

私が書いた登場人物である「はな」。
でも、舞台の「はな」は、私ではない。
私ではない「はな」を、演じるのは、役者ではない私。
そんな私が「はな」になるのは、もう演じるということではなく、憑依することしかないのではないかと思う。

予約は、「モクレンの探偵」予約サイトか、このブログのメールでも受付ています。
お時間がありましたら、ぜひぜひ観にいらしてください!!!

モクレンの探偵 
作 み群杏子 
演出 幸晃彦
出演 平岡秀幸 ヤザキタケシ み群杏子 鈴木みかこ 竹内絵美
日時 2011/7/16(土)19:00  7/17(日)14:00/17:00   
会場 アートコンプレックス1928
料金 前売:一般3000円 学生2500円