ねむたいむ

演劇・朗読 ゆるやかで懐かしい時間 

2024年の最後の日に 1年間のこと

2024-12-31 | Weblog
2005年に始めたブログ「ねむたいむ」。
毎日は無理だけどせめて週1と思いつつ月1になり、今では自作の公演があった時だけになりそうな怠惰さなのだけど、とりあえずは20年間書き続け、日記というものを書かない自分の唯一の記録になっている。
何年に一度か読み返すと、忘れっぽい私は、ああ、こんなこともあったなと新鮮に思い出す。
今日、手帳を新しくするので、なんとなく古い手帳を読み返してみた。
手帳には予定しか書かれていない。カレンダーだけに書いて、手帳には予定さえ書いていないこともある。ちいさな予定でもせめて手帳にはちゃんと書いておけばあとで読み返して思い出せるのにといつも一年の終わりに後悔する。

4月27日、一人ライブ。朗読とジャズの夕べと題して、ヨシカワサロンで一人でおしゃべりをしつつ、ビルエバンス、マイルスデービス、セロニアスモンクといった懐かしのジャズを聴きつつの朗読会。プライベートな会だったけど楽しかった。
6月8日、川崎の金沢さんの新しいスタジオにおじゃまする。上演された「月舟屋のはなし」を観させてもらった。この日は、ずっとあこがれていた窓から氷川丸が見える横浜のホテルニューグランドに泊り、生まれてはじめてのホテルのバーにも行き、外人墓地も散歩したのに、手帳にもブログにも何も書いていない。FBとインスタにはアップしたけど、このブログとは連動してなくて、なんかめんどくさくなったのだと思う。

9月4日、東京のスタジオでの大樹さんのリーディング公演「カスタネットの月」を観に行く。12月に上演する「ポプコーンの降る街」のメンバーたちが出演しての試演公演だった。
11月4日~6日は札幌~小樽の旅。札幌の彩の会で上演された「月舟屋のはなし」を観させてもらって小樽の観光も楽しんだ。これもブログには書いていない。公演場所は札幌市資料館。とてもレトロで素敵な所だった。

12月6日~8日、東京の大樹公演「ポプコーンの降る街」を観る。

9日、川野さんが案内人として務めている鎌倉の一条景観山荘にお邪魔する。

こうやって書き連ねてみると引きこもりの私にしては結構行動的な一年だった。
そして新作に取り掛かった今。新作を書くなんて何年振りだろう。
劇団大樹公演の、題名だけは決まっている「クレマチスの小屋」。
大まかに起承転結を考え資料を集め登場人物の履歴を作っていく。
不器用な頭は、一つのことをやりだすとそのことでいっぱいになり、毎月楽しみに作っていた俳句さえ作れなくなってしまう。
そんなわけで、私がお正月に用意したものは、グレンフィディックだけになってしまった(いつもはブラックニッカクリアを飲んでいるのです)。


「ポプコーンの降る街 2024 大樹版」の公演を観て

2024-12-11 | Weblog
寡作ではあるけど、30年近く戯曲を書いてきた。でも、30年たっても芝居のことはよくわかっていない。私の書く言葉が、舞台作品としてふさわしいのかどうかもよくわからない。自分で書いたものを自分の声で表現してみたいという思いもあって朗読活動もしているのだけど、そこにもいつも葛藤がある。
文字にした言葉と生身の人間の口から出る言葉の違い。文字を表現するということの意味。
劇作家が頭の中で作り上げた想像の産物を、いろんな人がかかわって舞台作品に仕上げていく。私は一番初めの土台を書かせてもらっているのだ。
今回、大樹版で書き足したものに、「楽しいお話を書いて好きな人に読んであげるんだ」というタキのセリフがある。なにげなく書いたセリフだけど、タキ役の女優さんの声を通して聞くと、それが意味深く聞こえる。聞きながらなんだかそれが今の私の書くことと表現することの原点にも聞こえてきた。それを語るタキの優しいしゃべり方がとてもよかった。これは文字では伝えることが出来ない。舞台って、ストーリーよりもそういう細部が観るものの心に残るのかもしれない。

来年11月に大樹さんは30周年の記念公演をするという。
そこで新作を書かせてもらう。まだ何も書いていないけど、パンフレットに題名を載せるというので、「クレマチスの小屋」と決めてしまった。山の中の古い小屋。壁を覆うクレマチスの花。そんな絵だけは見えている。さてさて、どうなることやら、なんて言ってないで頑張ります!